藤沢 さつき
SFベーシックセミナーの最後にいつも参加者の皆さまにお伝えしている事があります。「“SFは実践してなんぼ”ですから、小さな事でも良いので実践してみてください」と。どんな小さな実践も価値ある事です。それを自分にとって意味あるものに育てていけるかは、どの様に振り返って次の一歩を積み重ねていくかが鍵です。
SFの大きな魅力の一つはSFの知識やスキルが習熟していなくても、誰でも直ぐに取り入れていけるところです。SFを知ったばかりの人でも10年以上SFに関わっている人でも同じです。フューチャーパーフェクト・肯定的未来に向かって一歩一歩自分に出来るスモールステップやアクション起こし、小さな変化を大切にしながら積み重ねていった先には様々なものが生み出されます。形ある成果も目には見えない成果や変化も、それはとても素敵な事です。
10+10=20という様な一つだけの方程式や正解がない事もSFの魅力の一つです。20=としたら右辺にはどんな答えが入るでしょうか?無限の答えがあります。SFも同じです。
今大会のテーマ『SF実践を積み重ねて生み出されるもの』は、実践を重ねる事でSF=の右辺を自分なりに見つけて増やしていくことだと考えます。実践したからこそ生み出されることが沢山あります。
今回のご発表者の5人の実践は、SFのスキルやツールや型の様なものを使った事例ではありません。それぞれが置かれた状況や環境や立場の中で、ご自身が描いたFPに向かって必要なSFのエッセンスを取り入れて実践を積み重ねていったリアルな事例です。
日々課題やミッションや目標と向き合っている現場でのSFの取り入れ方に、SFの更なる可能性を感じさせてくれます。生で聴くからこそ多くの事を感じて学び合えます。
皆さんがSF実践を積み重ねた先には、さてどの様なものが生み出されるでしょうか?
渡辺 照子
“実践には価値がある”ことを私たちは知っています。“実践を積み重ねることがそう簡単ではない”ことも、私たちは自覚しています。ではなぜSFの実践が積み重ね難くなるのでしょうか? 実践者はフューチャーパーフェクトの実現に向け、日々の仕事や業務の中で、単に事柄の達成だけを考えているのではなく、事柄の達成のためにも、自分の周りの人とどうするかを考え、行動します。組織の中の人、業務にかかわる人たちは多様で、実践者から見れば、一筋縄ではいかないのです。さらに、自分自身というのも、一筋縄ではいかない存在で、“毎日忙しくて、SF実践だけやっていればいいってわけじゃない” “なんでこうなってしまうの?” “結局自分のやりかたがまずい。自分てダメだな。”とかネガティブさのドツボに時にはまってしまいます。・・・と、このあたりが、SF実践の積み重ね難さの背景かと。
今回発表してくださる3名(組)は、今年SF実践コースを修了された皆さんです。日々の業務の中で、半年以上SFと四つに向き合いました。日々の中で、“難さ”をどのように料理なさったのでしょうか?2名は、実践コースの卒業生ですが、独自に、「一人実践コースと」と銘打って、日々の業務の中に、SF実践を溶け込ませ、どのように面白がったのでしょうか、それをレポートしてくださいます。
実際に実践を積み重ねた方々の発表の中に、私たちが学び、活かすことのできる様々な視点が盛り込まれています。今年は、同一会場で、全員の発表者の発表を、全員のご参加者で学び合う形式をとっています。どうぞ一堂に会して、聞いたり、問うたり、コミュニケーションしたりしながら、共に学びを深め、私たち自身の活用に、幅や深み、思ってもみなかった発想などを加えていきませんか。
働きやすい職場作り
〜“気付く”ということの大切さ〜 |
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福本 翔平氏
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◆SF実践内容と成果・変化の概要
〈背景〉 〈目指したこと〉 〈実践・取り組んだこと〉
〈起きた成果・変化〉
◆ハイライト
1、特にSFを意識・実践したこと・ところプラスの眼鏡をかけることや、小さなリソースにもOKメッセージを出すことを心掛けていました。どれだけ小さくても成功体験を重ねることで人は成長することができます。 2、実践の中で工夫したこと あまり他人に相談したり悩みを打ち明けたりしないのですが実践中はできる限り自分に素直でいることを意識していました。 3、実践の結果得られた成果や変化などの中から代表的なエピソードを一つ プラスの眼鏡で職場の人を見るために、職場の人のいいところリストを作成しました。このリストを作成して、自分が周りの人に対してどういうふうに感じているかを再確認できました。 また、自分が正直苦手と思っている人にも、もちろんいいところがあるということに気付きました。嫌なところに行きがちな目をいいところに向けられるきっかけになったように感じ、プラスの眼鏡で見ることの大切さを実感できました。 4、SF実践を重ねる中で、ご自分が得た事・気づき・自分自身の変化や成長 人に悩みを打ち明けたり、相談することで得られた気付きがあります。プラスの眼鏡で人を見ることで得られた気付きがあります。一従業員である自分が行動することで変えられたことがあります。そのどれもが自分にとって宝物であり、成長の証だと思います。 |
1人実践コースを続けた変化
〜マンスリーレポートの実践とこの時代に活かしたい組織へのSF〜 |
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山本 勝之氏
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◆SF実践内容と成果・変化の概要
数年前のSFフォーラムに参加した際、年に1回はSFベーシックとフォーラムを受け直し、SFの知識をブラッシュアップしているというSF実践の先輩の声を聞きました。 私は社会保険労務士として、顧客先の企業の経営者に、人事労務面での相談を受け、助言を行っています。 ◆ハイライト
1、特にSFを意識・実践したこと・ところSFを実践しなければならないという義務感からではなく、SFを使ってみたらどうなるだろうかと、小さく試す実践を行いました。 実践では、なるべくシンプルにすることを心掛け、SFという言葉を使わなくても、SFの要素を活用することで、関わった人や組織に機能することが実感できました。 2、実践の中で工夫したこと 実践をまとめる際、SFを使ったことをこまめにメモしていましたが続かず、私の場合は1か月分をレポートとしてまとめた方が、じっくり実践を振り返ることができました。 SFを使った経営者への助言は、SFの入った小さなことを行っていただくようにしました。 なぜそのようにするのか具体的な理由をお伝えし、できそうなことを続けていただくよう工夫をしました。 3、実践の結果得られた成果や変化などの中から代表的なエピソードを一つ 採用後の教育が上手く行かないという職場の上司から経営者に相談がありました。最初上司は、部下のこれができない・あれができない問題に焦点があたり、部下本人も反省が多かったです。 その様な関わりでは、職場での人間関係が上手くいかないのではと思い、部下から上司に、できたこと、やってみたこと、やってみたいことを報告してもらいました。上司は今まで少なかったOKメッセージを本人へ返すことが増え、具体的な行動のリクエストが生まれました。 4、SF実践を重ねる中で、ご自分が得た事・気づき・自分自身の変化や成長 実践を記録することで振り返り、行動を見直し修正することで、物事が進み、自分のSF活用が続いていることに気がつきました。 組織へのSF活用では、ハラスメント防止の観点でも使いこなすにはどうしたらよいかを模索していました。最初は、できていない点に焦点があたったとしても、上司と部下が共有できればほどほどでおいておき、できたことやできそうなことに焦点をあてた関わりに切り替えることで、ハラスメントと感じることなく、本人の能力を引き出す関わりができると思います。 |
「諦めない」SFアプローチ
〜お互いをよく知り信頼を得るということ〜 |
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木村 大輔氏
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◆SF実践内容と成果・変化の概要
〈取り組んだことの背景〉 〈目指したこと〉 〈実践・取り組んだこと〉
〈起きた成果・変化〉 ◆ハイライト
1、特にSFを意識・実践したこと・ところ私はSFスケッチが自身に合っていると感じ何回か書きました。そうすることでスモールステップ・アクションを数多く発見することが出来て、とにかく実行しました。 2、実践の中で工夫したこと なかなか仲良くなれない内向的な年上の部下との信頼関係を築くため関わり方を工夫しました。また、誘ったりして断られても「諦めない」どうしたら振り向いてくれるのかをポジティブに考えました。 3、実践の結果得られた成果や変化などの中から代表的なエピソードを一つ 当社では毎週アンケートを取っております。その中で「あなたが『さすが』と思う人はだれですか?」という直球なアンケートの答えに年上の部下は私の名前を書いてくれました。正直私は嫌われているのかも・・・と思っていましたが認められていたんだと分かりとてもうれしい気持ちになりました。 4、SF実践を重ねる中で、ご自分が得た事・気づき・自分自身の変化や成長 周りの協力によってフューチャーパーフェクトへ向かうスピードが格段に速くなりました。自分一人だけで目指すのでなく、目指したいことを共有すること、その関わりを持つ方々にSFを理解していただくことによって、より早く、より良い結果や成果が生まれることに気付きました。 信頼のおける仲間が出来たことで、人生において大きな財産を獲得したと感じています。 5、番外編・・・仕事関連以外でのSF実践 単身赴任中の家庭との関わり方について(更にコロナ禍の東京圏移動自粛要請中)、社会科の苦手な息子(中学一年生)とのエピソード。 移動自粛解除後に自宅へ帰省し、久しぶりに顔を合わせた妻とのエピソード。(家族WINWIN) |
〜「誰か」やって! ではなく、
「俺が」やる!!自己変革 〜 | ||
柴山 彬氏
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◆SF実践内容と成果・変化の概要
〈背景・目指したこと〉 @ 事業所代表テーマ「リサイクル室のゴミ溢れ改善」 A 総務課テーマ「固定資産台帳の整理(分かる化)」 以上の2テーマ同時に遂行していく中で、私の中で「なぜ自分ばかり、こんなにも負担がかかるのか…」とモチベーションが下がりつつあった中、上司の薦めもあってSF実践コースに参加することと なりました。 〈実践・取り組んだこと〉 総務課テーマ「固定資産台帳の整理(分かる化)」 〈起きた成果・変化〉 総務課テーマ「固定資産台帳の整理(分かる化)」 ◆ハイライト
@特にSFを意識・実践したこと・ところ話し合いの中でどんなことでも「OKメッセージ」「プラスの眼鏡」を用いて、相手を否定せず かつ出来ているところに目を向けた発言をしました。 A 実践の中で工夫したこと B 実践の結果得られた成果や変化などの中から代表的なエピソードを一つ C SF実践を重ねる中で、ご自分が得た事・気づき・自分自身の変化や成長 |
逆風を前進する力に変える
「つながって解決する」SFマネジメント 〜自分らしいマネジメントを探して〜 |
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小林 シンイチロウ氏
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◆SF実践内容と成果・変化の概要
〈取り組んだことの背景〉 〈目指したこと〉 〈実践・取り組んだこと〉
〈起きた成果・変化〉 @「企画Gと業務関係が全くない」を1、「業務関係が一方的」が5、「業務関係が協働的」が10としたら、あなたはいくつですか? すると、Bさんは@3とA2、Cさんは@10とA10、Dさんは@7とA8でした。この半年間、だれも脱落もせず、しかもメンバー各人が各人のペースで前に進んでいたのがとても嬉しかった。 2.昨年まではメンバー同士が陰口を言い合うような雰囲気だったが、グループ内の助け合いが生まれ始めた。 ◆ハイライト
1.マネージャーである私が成果を出すために出来合いのマネジメント手法に学びながらも、私にとって違和感がなく後悔しないマネジメントをしたいと考えていました。お節介ではありますが、部下4人のメンバーの仕事だけでなく、人生の領域まで目をくばり、彼らのライフスタイルを守りながら上層部、他部門、取引先、仕事、組織メンバーとどうつながって成果を出すかにこだわりました。
2.計画の作成や計画を守ることにこだわり過ぎずに、実行の中で観察や対話を通して役立つもの(意図したことも偶然のことも)を発見して活用していくアプローチをとりました。なぜなら、環境はどんどん変わっていくので、計画の正しさは直ぐに薄れるからです。 3.部下一人一人にとって役立つことは何でも実行を後押しすることに活用しました。仕事の範囲だけでなく生活全般に領域を広げてリソースの発見に努めました。 @ 特にSFを意識・実践したこと・ところ A 実践の中で工夫したこと(上記1〜6の工夫) B 実践の結果得られた成果や変化などの中から代表的なエピソードを一つ C SF実践を重ねる中で、ご自分が得た事・気づき・自分自身の変化や成長 |