"SF inside" Day 2018
SFという生き方
2017年6月24日(土) - 25日(日)
@
ちよだプラットフォームスクエア(東京都千代田区)
“SF inside” Day 2018 当日の様子
“SF inside” Day 2018 参加者インタビュー
"SF inside" Day 2018 大会テーマについて
今回「SFという生き方」を大会テーマにした理由は、いつでもSF的に生きようと呼びかけるためでもなく、SFという生き方の良い見本になるりっぱな人がいるから見習いましょうということでもありません(笑)。SFは「課題解決法」とか「コミュニケーション手法」というカテゴリーに分類されるのが普通ですし、関連書籍も本屋さんではそのような棚に置かれています。しかし、あえてSFを“生き方”というレベルでとらえてみたら、SFそして色々なSF実践者の人たちがどんな風に見えてくるか試してみませんかとお誘いしたいと思いました。用意された正解はありませんが、自問する価値はあると思います。
この13年間に国内および海外で数多くのSF実践者に出会ってきた私の経験から言えることが一つあります。それは、文化の違い(人種や国籍だけでなく業種や組織の違い等も含めて)を超えて、SFは人類に普遍的に共有されている“何か”に基礎を置いているということです。人と人の間でSFコミュニケーションが交わされると、その“何か”にスイッチが入り、人を生き生きとさせる力になっていきます。その“何か”を起動させる方法はSF以外にも無数あります。SFはシンプルで応用領域が広いという特長があるだけです。
一つ面白いなあと思うことがあります。SF(ソリューションフォーカス)は、意識の焦点の合わせ方(考え方)とコミュニケーションの取り方に関する一連のノウハウを意味しますが、SF実践者が「SF」と口にするときのニュアンスを注意深く聴くと、ノウハウのことよりもそれをうまく活用した結果起こる「人が生き生きする様子」を指していることが多いです。
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SFコミュニケーションを体験したときに「人との親密感」「未来への視界が開けてきた感覚」「大変な困難状況の中でリソースが見つけられてホッとした感覚」「到達不可能に見えた所にスモールステップで近づくことができた『イケるぞ!』という感覚」などを持った人が、それらを思い起こして「SF」と言うことが多いのだと思います。
SFを実践し始めて色々なことがうまく行きだすと、SFで全てがうまくいくと思いたい誘惑にかられる時期が私にはありました。そんな時期はまさに上記の意味で「SF」と言っていたように思います。しかし、SFコミュニケーションを試みてもうまくいかないことも当然ありますし、SFコミュニケーションを試みる気にすらなれない状況も人生の中では数多くあります。そんな時はSFは万能じゃないことを認めざるを得ません。よく考えてみるとSFコミュニケーションの結果起こる「良いこと」が、人類が普遍的にもっている“何か”が刺激された結果生まれるものだとしたら、その方法は色々あって当たり前です。SFで独占するわけにいきません(笑)。そして大事なのは、今までのSFのやり方にとらわれず、より広いとらえ方でその“何か”をうまく刺激する方法を見つけることです。
私にとっての「SFという生き方」は、その“何か”を起動させるより広いSFのとらえ
方そして応用法を探求することになっています。
さて、あなたにとっては「SFという生き方」はどのような意味を持つでしょうか?
"SF inside" Day 2018の1日を過ごす中で是非ご自身に問いかけてみてください♪
「共有事例の概要」の末尾にある「クリックして続きを読む」をクリックすると、「共有事例の概要」の続き、「SFが活用されたポイント」、「SF活用が自分に与えた影響」、「参加者と意見交換したいトピック」を読むことができます。
<全体会1>
「私とSFの軌跡」
〜SF不毛の地「沼田事業所」に大輪の花を咲かせたい〜
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藤森工業株式会社(ZACROS)
沼田事業所
戸塚 深氏 (写真上右) |
(技術課長
SF実践コース9期) |
林 則男氏 (写真上左) |
(技術課) |
池田 鮎美氏 (写真下右) |
(技術課) |
細谷 由紀子氏 (写真下左) |
(製造課) |
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[共有事例の概要]
- 暗黒期(15年前)
私(戸塚:以下同様)がZACROSに入社したころ、配属先の沼田事業所にはSFの欠片もありませんでした。私も辛い経験をたくさんしましたが、『俺を認めさせてやる!』という感情のみで、突っ走ってきました。当時の自分にはSF要素がまったくありませんでした。
- 挫折期(5年前)
会社にも認められ、私は管理職になりました。私は部下にも自分と同じことを求めました。しかし部下からは、やる気を感じないし、日に日に元気も無くなっていきました。そんなとき、ある部下に仕事の考え方を教えたら『戸塚さんが正しいやり方を教えてくれて、それで成果もでて楽しかった。もっとやりたいです。』と言ってくれた。私はとてもうれしかった。自分の中に少しだけSF要素が芽生えた。
- Natural-SF期(3年前)
今までのやり方、雰囲気に疑問を感じ、社内での変革活動を開始。やっていることはプロブレムフォーカスだが、話し方や聴き方にルールを設け、そこにSFの要素が入っていた。※この頃はSFを知らなかったのでNatural-SFと名付けた。
私は社内講師に任命され、全事業所と本社へ展開しました。②の部下2名から始まり、合計250名が参加。特に沼田では、人や風土に変化が起き始めた。
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- SF期(1年前)
③で私を講師にしたのが実践コース5期生の志田さん。その流れで『SFに参加してみなよ。戸塚に向いているよ』と言われ、SFと出会いました。『沼田でできるかなぁ?あれ、③で出来ていることもあるな!俺、すごくない?』とセルフSFによって、出来そうな気がしてきました。
まずゲリラ的に部下に使ってみると、『こんなに簡単にやる気が出るとは!』。会社を辞めたいと言っていた人も、別人の様に激変しました。私は完全にSFに心を奪われました。肯定から、安心や希望を生み出し、最後には意欲を引き出す。そのSFの真髄を体感しました。※活用事例は当日発表します。
- 実践期
実践コースでFP《SF不毛の地「沼田事業所」に大輪の花を咲かせたい》を掲げ、『早くそうなりたいなぁ』とワクワクしました。まず相棒を求め、部下3名にSFを教え、自分も一緒にワークをしました。そしてリソースゴシップで全員が照れながら、脇汗と涙が止まらなくなりました。そこで確信しました『沼田にはSFが必要!いける!俺達、変われる!』。
そして相棒と共に普及活動を開始。私が講師となり、沼田SFベーシック、フォーラムを開催(計28名、横浜事業所からもゲスト参加2名)。ここでも多くの人が目を潤ませました。やっぱり沼田はSFを求めていた。そこからは何もしなくても、皆が自由にSFを使い始めました。※活用事例は当日発表します。
- 成果
SF不毛の地には、たくさんの花が咲き始めました。それよりも、こんなに多くの種があったことに驚いています。ほんの少しのSFウォーターをあげただけなのに。
このお花畑の様子は、私の発表で感じてください。
[SFが活用されたポイント・ハイライト]
基本中の基本である『OKメッセージ』が沼田メンバーの心を震わせました。
OKメッセージが大事なことは、SFを知る前から、子供の頃から知っています。でも大人になると恥ずかしくて、言えませんでした。SFを知りOKメッセージを《相手に伝えたい》《自分にも伝えて欲しい》という想いが解き放たれました。そして、この想いが《伝わった》ことで我々は共感し、涙が溢れました。人は誰しも認められたい。特に私や沼田メンバーはそうだったと思います。心の底からOKメッセージを求めていたのです。
[SF活用の経験はあなた自身(と周囲の人)にどんな影響を与えていますか?]
私はこの1年で涙もろくなりました。とても心が弱くなりました。
正確に言えば、《元々弱かった自分をさらけ出すことができる》様になった。だと思います。
ただその結果、気持ちが楽になりました。前向きになれました。そんな自分を皆が認めてくれる仲間もいました。沼田にいることを自分は幸せだと思える様になりました。
だから自分はSFと共に生きて行きます。ただし無理はしません。必要なときにSFが使えればいい。沼田の《良い意味での厳しい文化》まで捨てる必要はない。
だから私は常にSFと一緒にいます。自分らしく自然にSFと共存していきます。
それが仕事の仲間を、家族を、周囲の人を、何よりも自分が幸せになるはずだから。
[参加者と意見交換したいトピック]
- この報告を聞いて、ただただ皆さんの意見を聴かせて欲しい。
- とにかく皆さんに《伝わって》、共鳴して欲しい。お互いに増幅できたら最高です。
<分科会1>
「成長し続ける現場作り」
〜共鳴し増幅する相互支援「バディシステム」〜
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藤森工業株式会社(ZACROS)
横浜事業所
桑本 丈弘氏
(写真上左) |
(製造課 班長 SF実践コース9期) |
畑中 雅雄氏
(写真上右) |
(製造課 班長 SF実践コース8期) |
志田 正士氏
(写真中左) |
(横浜事業所事業所長 執行役員
SF実践コース5期) |
工藤 翔太氏
(写真中右) |
(製造課 オペレーター) |
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[共有事例の概要]
私たち藤森工業渇。浜事業所では2年間、製造現場に「SFを学び、使う」取り組みを行ってきました。前任者がメンバーに「どんな事がSFなのか?」から始まり、身近にあるSFを認識させ、問題解決手法、コミニュケーション法をメンバーに共有し問題解決の多様性は開けました。しかし、SFアカデミア・クリードにある「認め合う」「学び合う」「応援し合う」を体感する手段がなく、SF手法を「知る」だけに留まっていました。後任者はSFを「知る」⇒「使う」⇒「共有する」変換させる為に、何らかの仕組みで運用できればと考えました。そんな時、普段から「やらなきゃいけない仕事」として、個人目標の設定・運用の仕組みに疑問を感じ、個人目標にSF要素の仕組みを取り入れてできた時に何かしらの変化が生まれるのでは?と思いました。その為には「やらなきゃならない仕事」⇒「こうしたらおもしろいかも」と思える仕事へ取り組み方の仕組みを作ろうと考え、その先に「おもしろい現場作り」を目指しました。
その中で、「もしも誰かがいないと出来ない」ではなく、「誰でも取り組む事が出来る」仕組みを同時に行いたいと考えた仕組みは2つです。
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1つ目は個人目標の設定を会社の求める姿(成果・成長)に対して、目標管理シートの作成を行い、その内容に「行動・思考」を上長と面談して一緒に取り入れる「目標管理シート」に工夫をしました。
2つ目はそれを運用する新システムの作成を行いました。「メンター・メンティ制度」をベースに考え、メンティ同士がバディ(相棒)を組む相互支援「バディシステム」を考案しました。個人目標を設定し目標(FP)に向かって相互支援する「バディシステム」(時には先生・時には生徒)で共に学び、小さな成功を重ね目標に向かいスモールステップで1歩ずつ前進していく。バディ同士で共有して共鳴し増幅させ、それを現場全体でフォローアップする仕組みを構築したことにより現場力の向上も行っていく。結果は個人の「自律性」「想像力」「人間力」「反省力」の成長を広げる期待以上の効果となりました。現在は少しずつ個人の成果を上げ、意識、モチベーション・目指すゴールが1人ひとりの想いで変化し成長していく様を「現場全員で共有する姿」として見て嬉しく思い、現場で起きている「変化・変革」を分科会で皆様と共有できればと思っています。
[SFが活用されたポイント・ハイライト]
SF要素のプラットフォーム・FP(フューチャーパーフェクト)・スモールステップを段階として改善に取り組みそれを工程会議内で使用することでSFを身近に感じる(知る)(使う)様に取り入れました。今までの工程会議体の中で積極性も見られなかった課員たちが、FPを考えることにより多数の前向きな意見などが多く出るように変化してきました。また、後任者の個人目標とリンクする互いの成長を支援する相互支援システム「バディシステム」を運用することで、日々成長し続けていることが定期的に報告されて管理者はメンバーの現在の進捗状況が確認でき、メンバーも「こうしたら改善・実現出来るかもしれません」等の肯定的な意見が多く発信できていることで「バディシステム」を楽しく取り組み、メンバーの考える理想の現場の「いい雰囲気の現場」に変化している事を感じました。
また報告された情報に対し、「作業性・効率性・人間性・想像性」などあらゆる視点の角度で上長からのメッセージ(OKメッセージ含む)が部下の行動に促進力を与えた効果は大きいと感じました。
また「バディシステム」運用にあたり、人の意見を傾聴する大事さを伝え、そのトレーニングとしてシステム運用できたことで、学べた事が大きく良く観察することを深く感じることができ相手を理解した上で「人とのCHIGAI」を創造して「CHIGAI」を生み出していることに日々の成長を感じています。
[SF活用の経験はあなた自身(と周囲の人)にどんな影響を与えていますか?]
「自分とSF」を深く掘り下げてみると、意外と身近にSFはあったんだな…と
思っています。昔の師匠と弟子の関係がそうであるように、教育の観点から相手を思いやり、相手の事を考えて相手に寄り添う、時に結果として(愛情があるが故に)厳しく接する事もある。そんな愛情ある指導を受けた時はその瞬間「こいつ!このやろう!」と思ってしまいますが、時間が経つに連れて「これって本当はすごく大事な事だったな」と思い返し、深く心に残っていることが多くありました。
例えばそれは言語だけでなく相手の面構え・心構え・眼差し・仕草・雰囲気等の視覚情報や、声の質・速さ・大きさ・テンポ等の聴覚情報を含めて良く観察することで相手を理解する事で、様々なケースで他者の答え(仮説)を導く訓練にもなっていると感じています。
今後は知識のインプットもしていきながら、後輩指導の立場にあるので知識・経験のアウトプットをしていき、メンバーへのアウトプットを通してまた知識の幅を広げ、より深い理解力も高めていきたいと思います。その結果、自分も周囲も成長し続ける環境にある!(相互成長)と考えて毎日をワクワクしながら過ごしています。
[参加者と意見交換したいトピック]
この相互支援システムをどのように変化・進化させたらもっと面白くなるでしょうか?仕掛ける側の仕組み、仕掛けられる側の仕組みにもっと工夫を入れていきたいと考えています。幸い、「バディシステム」を仕掛ける側と仕掛けられる側のメンバーが当日参加出来るようになったので、質疑応答を通して多数の意見をもらえたら!と考えております。
雰囲気の暗い職場を
明るくするために行った、
たった2つのこと |
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三井E&S造船株式会社艦船工場管理部
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[共有事例の概要]
私は管理部の管理グループに所属しており、そこでは各工事の損益計画・管理と人事・事務関係の業務を行っております。そして勤務態度は全員が業務に集中しており素晴らしいが、業務に集中するあまり会話が仕事に関することが主で比較的静かでした。そのため、他部署からは雰囲気が暗いと思われることが良くありました。
また、当社では2013年からストレスチェックに変わる新たな研修としてソリューションフォーカス(以下SF)を導入し、当初は管理職の方を対象として行っていたが、その際「SF活動を広げるためにモデル職場を作成したほうが良いのでは」と多数のコメントを受けたため、翌年からモデル職場を対象とした活動もスタートしました。そして2017年度のモデル職場として管理部が選ばれたため、職場の雰囲気を明るくして居心地が良くなることを目標として2017年6月〜2018年3月にかけて管理Gr全員で活動を行いました。また目標に対するゴールとしては「会話が自然にできる職場になることで雰囲気が明るくなる。」、「緊張せずに話せる職場になると、居心地が良くなる。」「相手のことを知ることで、話すきっかけができる。」等を掲げました。
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まず、相手のことを良く知るために、コミュニケーションの場を設けることを考えました。そして仕事の疲れを癒しながらのんびり会話をしようということで、飲み会を開催しました。その結果、さまざまな会話ができその人がどんな人か知ることができ、仕事中は険しい顔をしている人も、本当は優しくて面白い人だということが判明したので、緊張せずに話せるきっかけとなりました。さらに、部全体での飲み会において、工場長への誕生日のサプライズを行ったことにより、SFメンバー内の活動から部全体へ活動を広げることができました。
次に職場の雰囲気を変える為に、朝に行っていたミーティングを変えてみました。変えた内容としては、会議予定等の重要な連絡事項だけでなく、手伝ってほしい業務や健康チェックの各自報告、フリートークの実施を追加し、司会進行役も設けました。その結果、手伝ってほしい業務や健康についてといったなかなか伝えにくかったことが伝えやすくなりました。また、ミーティングの司会を行った人の話では積極的な姿勢がとれてきたとの事です。
しかし、リーダーとしてはまだまだ全員でコミュニケーションが取れるはずと思い、更なる改革をメンバーに呼びかけました。そして、今まで司会進行役を一人の方が担当していましたが、ローテーション制に変えることで、メンバー全員が会話に参加できる機会を設けました。また、朝ミーティングの内容に挨拶も追加しました。それらを実施した結果、コミュニケーションが増し以前よりも朝ミーティングの雰囲気が明るくなりました。そして、その雰囲気のまま業務に取りかかれるため、業務中の雰囲気も明るくなりました。
最後にまとめとして、今回SF活動にてコミュニケーションを良くする活動を行った結果、各メンバーとの距離が縮まり、業務中の雰囲気を明るくすることができました。また、今後も朝ミーティングや飲み会については継続して行っていきたいと思います。
[SFが活用されたポイント・ハイライト]
朝ミーティングの司会をローテーション制に変更した際に、項目だけ用意して内容については各メンバーの自由にお任せしたところ、各メンバーの個性が生かされた司会となり、コミュニケーションUPだけでなく、そのメンバーのことを良く知るきっかけへと繋げていくことができ、予想を超えた成果を生み出すことができました。
[SF活用の経験はあなた自身(と周囲の人)にどんな影響を与えていますか?]
SF活動を行うまでは人と積極的に会話を行うことが苦手で、業務上話をする必要がある場合においても、いつもためらってなかなか話ができませんでした。
しかし、今回積極的にSF活動を行ったことにより、人と会話をすることに対する苦手意識が改善され、今では会話をするための足取りも軽くなりました。
また、今回の活動メンバー全体としては、以前よりも雰囲気が明るくなり、メンバー間の距離が近づいた感じがします。
[参加者と意見交換したいトピック]
私は20年近く離島に住んでいました。そして発表の中にも少し出てきますが、私が住んでいたところには変わった文化があったため、他の地域の文化や魅力についてどんなものがあるのだろうと興味があります。そこで、聴衆の皆様の故郷にはどんな文化や魅力があるのかを意見交換したいと思っています。
「小集団活動でいきいき職場づくりに挑戦」
〜SF的エッセンスを活用して〜 |
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西川ゴム工業株式会社 環境安全部
北村 恭子氏 (写真左) |
(保健師) |
片山 秀美氏 (写真右) |
(産業カウンセラー) |
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[共有事例の概要]
片山と北村は社内の衛生担当で、ストレスチェック後の職場環境改善活動の推進を業務にしています。会社全体をより働きやすくするために、まずは環境安全部を活性化させ、それをモデルに対策を広められたらいいなと考えました。そのための実践を「小集団活動」で展開し、効果を検証することにしました。(小集団活動とは、効率化・品質向上・安全性向上などのために、数人で1つのグループをつくり、そのグループ単位で改善活動をしていくことです)
活動は、2017年10月〜2018年3月まで、月に2回(1回が1時間〜1時間半)実施。活動メンバーは、管理職3人を除く7人です。片山と北村は、2017年大阪開催のSFベーシックとSFフォーラムに参加しており、SFが組織活性化に有効であることは認識していましたので、活動の進め方にSFを取り入れました。
具体的にどういうところをSF的にしたか
- メンバー全員の参加:なるべく全員が参加できるように調整しました。不参加の人には、後日その人に個別で説明したり、意見を聞きました。
- 職場のよいところを出し合う:犯人捜しをしない。どうしても誰々が悪いとなってしまいがちなので、職場の悪いところを出し合うのではなく、「よいところ」を出し合い、解決志向で進めていきました。
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- 理想の職場を出し合う:理想の職場とはどんなものか、それぞれの意見を出し合い、私たちのめざす職場を決めました。
- スケーリング:③で決めた理想の職場にどれだけ近いかを1から10でスケーリングし、なぜそれを選択したか、それを1つ上げるために何ができるかを出し合いました。スケーリングは、11月と3月に実施し、どれだけ理想の職場に近くなったかを全員の平均で比較しました。
- 対策にSFを入れる:対策に「できていることに焦点をおき、お互いに認め合う」というのを入れました。これは対策として一番出してほしかったことですが、メンバーからは出てきませんでした。SFについて説明し、上司からOKメッセージをもらうことで私たちのモチベーションが上がり、「いきいき職場づくり」に効果的であることを納得してもらい、対策に入れました。
- 管理職にSFを説明する:「いきいき職場づくり」の対策を実施するには、上司の協力が必要ですので、部ミーティングで小集団活動の報告をしました。その中でSFの説明をし、できていないところではなく、できているところに焦点をおいて私たちを認めてくださいとお願いしました。
- 対策は、自分たちができること:「指示は明確に出してほしい」ではなく、「自分の理解が曖昧だと思ったときは、もう一度上司に確認する」などとしました。
その結果
1)有形効果
対策の前と後で3つのアンケートを実施し比較しました。実施数、①は10人、②と③は7人。プライバシーが守れるように無記名で実施。
- ストレスチェックの集団集計:「仕事のコントロール」、「同僚の支援」、「上司の支援」が上がり、「健康リスク」が改善しました。どれくらい改善したかは会場で発表します。
- ワークエンゲージメント(仕事に関するいきいき度): 平均が25.57から、28.14まで増加しましたが、有意差までは出ませんでした。
判定が27点以下はワークエンゲージメントが「低い」、28点〜35点は「平均」ということですから、「低い」から「平均」になったので評価できるのではないかと思います。(もともと、日本人は欧米に比べてワークエンゲージメントが低く、日本人の平均は25くらいのようです)
- 理想の職場にどれだけ近いかのスケーリング:平均が4.86から6.36に増加しました。5%で有意差がありました。
以上のアンケート結果から、「いきいき職場づくり」に近づいたと言えます。
2)無形効果
- 上司や同僚に自分の意見が言えるようになりました。
部ミーティングを困っていることや助けてほしいことを発表する場としたので、意見が言いやすくなりました。他のメンバーが意見を言っていることに感化され、要望や意見が出るようになりました。そして私自身も、いつもバックに仲間がいてくれて応援してくれるという安心感から、上司や偉い方にでも毅然と自分の意見を言えるようになりました。
- 上司から私たち部下にOKメッセージを出してくれる機会が増えました。
メールの中に「ありがとう」という言葉が入っていたり、言葉に発してくれます。上司が部下の席まで来て、積極的にコミュニケーションをとってくれているのがわかりありがたいことです。また、部下の意見を取り入れて仕事を任せてくれるようになりました。
[SFが活用されたポイント・ハイライト]
はじめは職場のできていないところばかりに目がいっていたメンバーが、話合いを進めていくうちに、「そういえば、上司からありがとうのメールをもらったことがあった」とよいところに気づきだしたことが嬉しかったです。
小集団活動にSFを活用することは、片山と私の中で決めていましたが、「効果が出るようにSFの考え方を取り入れて実施します」という表明をみんなの前ではしていませんでした。西川ゴムは製造業であり、製品の不具合をなくし、お客様に満足いただける品質を保証するため、「問題解決」や「なぜなぜ分析」などのQC(Quality Control)手法を主として活用してきました。ですので、「解決志向」のSFの概念は、メンバーのみんなから抵抗されるのではという懸念があり、なかなかSFの事を言い出せない状況でした。しかし、対策を決めていくとき、組織を活性化させている他社の事例を紹介する中で、SFの考えを説明しました(やっと。遠慮しながら)。そして、対策の中に「出来ていることに焦点をおき、互いに認め合う」というのを入れてもらいました。そうした時に、メンバーの1人が、「上司にも協力してもらうために、SFのことを部のミーティングで説明したらいいよ。発表に15分くらいもらっても大丈夫だよ」と言ってくれたのです。部下を認めてもらうために上司にもSFを説明したいと思っていましたが、自分からは言えない中、それを後押ししてくれたのがこの言葉でした。私はこの言葉に勇気づけられました。これこそ何よりもの承認、なによりものSFだなと思いました。その承認に支えられて、小集団活動をがんばりました。
[SF活用の経験はあなた自身(と周囲の人)にどんな影響を与えていますか?]
今回の職場を元気にする活動で、成果は出ました。でも、それでとびきり職場が理想的になったかというとそうではなく、課題はまだまだあります。組織を活性化させる活動は、そう簡単なものでありません。それははじめからわかっていました。そんな中、今回この活動に取り組めたのは、「SFを活用したい」と思う気持ちがあったからです。SFに出会ってなかったら、そういう熱い気持ちも湧いてこなかったと思います。SFで結局自分がいつも元気になります。SFで相手の潜在能力をみつけてそれを活かしてもらえるお手伝いをしたいと思いながら、一番SFで楽しんでいるのは自分で、一番成長させてもらうのも自分です。今回も、そしてこれまでの活動でもそうでした。SFは裏切らないなと思います(変な言い方ですが)。まだまだ見つけられていない職場の宝を見つける作業をこれからもしていきたいです。
[参加者と意見交換したいトピック]
今後、職場環境改善や衛生活動で、SFを全社に展開していけたらいいなと考えています。衛生担当者としてどのように活動していけばいいか、アドバイスをいただけたらと思います。
<分科会2>
「ミーティングにSFアクセントをいれて、
チーム力が自然にUP!」
〜技術課長の視点、品証若手の視点で取り組んだことを紹介します〜 |
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藤森工業株式会社(ZACROS)
名張・三重事業所
三浦 康一氏
(写真右から2番目) |
(三重 技術課課長
SF実践コース9期) |
岡村 冴氏
(写真左から2番目) |
(先端医療事業推進部
SF実践コース9期) |
東海林 駿太氏
(写真右) |
(名張 技術課
SF実践コース8期) |
中野 憲一氏
(写真下) |
(名張 品質保証課課長) |
本間 俊介氏
(写真左) |
(名張 事業所長
SF実践コース2期) |
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[共有事例の概要]
名張(若手の視点):
課の朝礼で実施していた『朝の一言』の進め方を見直しました。
私が入社したときより『朝の一言』は行われていましたが、何の為にしているのか分からず、誰も楽しんでいない、でもやめる理由やきっかけがない、そんな状態でした。SFを実践するにあたり、課のコミュニケーションを活性化したいと考え、惰性で続いていたこの時間を利用しました。
第一に、“コミュニケーションばっちりの職場を目指す”という課のありたい姿を明確にして職場に掲示し、共有しました。そして、より楽しい時間にするための案を出し合い、新しい進め方を提案しました。
何を話してもOK、話す順番はいつも一緒、という進め方から、話すテーマを設定する、担当者はくじ引きで決める、と進め方を見直したことで、課員の取り組む姿勢に変化が起こりました。他人が話すことに関心をもつようになり、聞く意識が高まりました。また『朝の一言』をきっかけとした会話が他の時間にも生まれ、目的通りコミュニケーションの活性化が起こりました。その結果、意見を言いやすい職場となり、仕事上の些細な不満の改善に繋がりました。また、昨年10月に他の課より異動してきたNさんは、他人を知り自分を知ってもらう機会となり、速やかに課に溶け込んでいきました。
三重(課長の視点):
昨年3月に三重事業所技術課に赴任しました。当初素直でまじめな社員が揃っており安心していましたが、暫くすると、生産工程内で同じ品質不具合が繰り返えされたり、急な納期対応に迫られたりという場面に出合い、うまく回っていない印象を受けました。
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言いたいことを十分主張できていない、他課の所員との間で十分な情報共有が出来ていないためと考え、相手に自分の考えを端的に伝えようとする事及び相手の伝えたいことを確り聞き取ろうとする事を習慣化させることを目的として、以下の2つの取り組みを始めました。
- 三重事業所全体集会でコミュニケーションを活性化させるワークを実施。
- 月一報告会で対面報告会とポストイット質問票の導入を実施。
普段話せない人と話す機会が得られてよかっというコメントが多く寄せられ、社員のモチベーションアップに有効だと感じましたが、それ以上に情報共有の難しさと重要性も感じ取ってくれてきたようで、他課や他事業所の人と積極的にコミュニケーションを取る行動が少しずつ出てきているように感じています。
[SFが活用されたポイント・ハイライト]
名張:
- もともとあった時間(リソース)を利用したこと。
- 異動してきたNさんが職場にすぐに溶け込めた。その結果、前職場(製造)からの視点で感じた改善提案がすぐに出てきて更に速やかに実行されたこと(書類の動きに無駄がなくなった)。
三重:
- 2つの取り組みを面白いと多くの人が感じてくれたこと(私のモチベーションUP)
- 情報共有の難しさと必要性を技術課の各課員が感じていること。
- 具体的には、Uさんが規格書フォーマットの改定を現場やシステムと摺合せしながら改善業務を進めたことや、Dさんが規格書自動化の検討を営業部隊と相談しながらシステムの導入を検討しており、Uさんからは、「2つの取組みでしゃべる習慣ができて、依頼や質問がし易くなった」Dさんからは「コミュニケーションは得意じゃないけど必要なツールだと感じている」というコメントも出てきており、成果が出つつあると感じています。
[SF活用の経験はあなた自身(と周囲の人)にどんな影響を与えていますか?]
名張:
- “聞く”ことの難しさを実感し、“聞く”ことを大切にするようになりました。
- 積極的に行動するようになりました(事業所内のイベントを自主的に開催)。
三重:
- SFの目的を改めて考えるようになりました。具体的には、SFは部下を自立して仕事ができる(独善的に進めない、言われるがままに進めない、常に上を目指す)よう教育するためのツールだと感じました。
[参加者と意見交換したいトピック]
何かSF的な事を実施した具体例とその真の狙い、そしてその効果の検証結果について。
「“営業部内におけるグループ間同士の
コミュニケーション向上大作戦”
『会社または組合主催の会社イベントへの
チーム全体での積極的な参加!』」 |
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三井E&S造船株式会社艦船営業部
「ハツラツ営業部」
赤堀 則文氏 艦船営業部アフターサービスグループ Gr.長 |
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[共有事例の概要]
私たちの職場は会社名のとおり建造した船のOWNERと直接窓口としてかかわる営業部です。その中でも商船グループ、艦艇グループ及びアフターサービスグループの3グループに分かれています。私たちのSFモデルチームとしては、職場内のコミュニケーションの向上を図るためにまず各グループ内及び各グループ間において、どれくらいコミュニケーションが図れているか現状把握(スケーリング:10点満点で)を行いました。その結果、各グループ内のコミュニケーションはまあまあ図れているが(結果平均6.2)、各グループ間のコミュニケーションが今ひとつ図れていない(結果平均4.3)ことが判りました。
さらに、各グループからSF活動に主導的に参画してもらえるように、各2名ずつ代表を選出してもらって、まずは、職場内でコミュニケーションを図るために今できていることや、やりたいことの現状把握を行いました。
以下に列挙します。
- 部員は約6割が若手で占められている。
- 業務がてらイベント計画(お祭りごと)に強い(長けている)。
- 人と接することについて業務がら、どちらかと言えば得意である。
- 結構、スポーツが得意(学生時代に体育会系)な人が多いらしい。
- 昔、営業部でよく会社のサマーフェスティバルに出店していたらしい。
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以上の現状把握から、色々な行事/企画を計画してコミュニケーションを深めてみようということになりました。以下に実際に行った企画を説明します。
<第1弾企画:労使共催行事のサマーフェスティバルへの出店>
まずはサマーフェスティバルに営業部全員で出店を計画して、大いに盛り上がり、色々な面でコミュニケーションを図ることができました。店はメンバーの中に大学の模擬店で「りんごアメ」を出店した人がいて、珍しいのでそれでやってみようということになりました。また、出店のための企画会議を進める中で、家庭でプチトマトを沢山栽培していて、当日は参加できないが、プチトマトを提供するので「トマトアメ」もやってみたらということで、サービス品として作ってみたら、これがまた好評で売れ行きに功を奏しました。
<第2弾企画:フットサル大会への出場>
さらにサマーフェスティバルを契機に、組合行事及び労使共催行事に積極的に参加してみようという盛り上がりを見せ、若手が多い、スポーツが好きという点を生かして、組合主催のスポーツ大会のフットサル大会に参加を決め、練習試合なども計画して、非常に盛り上がりました。結果準優勝することができました。
他にもあと2件ほど企画を行いました。
一番よかったのは、SFチームリーダーから仕掛けなくても、みんなが行事参加企画を段々と持ち出してきたことや、その内容を積極的に計画して、ほぼ(何らかの形で)全員参加でコミュニケーションを図ることができたことであると考えています。
SFモデル職場活動を終えて、スケーリングを行った結果以下のとおりです。
1) 各グループ内:結果平均7.7
2) 各グループ間:結果平均6.8
[SFが活用されたポイント・ハイライト]
- なんらかの形で部員全員がイベントに参加することができた。
- 他部署から最近、艦船営業部内って雰囲気が良くなったね!とか明るくなったね!と言われたこと。
- SFモデル活動が終了してもずっと継続して、イベント参加等を行っていき、これを営業部の文化にしたいと振り返り会議で発言してくれた仲間がいたことがうれしかった。
[SF活用の経験はあなた自身(と周囲の人)にどんな影響を与えていますか?]
- 何事も前向きに考えられる様になった気がする。
- 前は、あまり話しかけてくれなかった人が、仕事のことやプライベートのことでよく話しかけてくれるようになった。
- 部内で尻込みしてた人が積極的に、ほかの人に話しかけたり、仕事の面でも諦めない前向きな気持ちが少し芽生え始めている気がする。
[参加者と意見交換したいトピック]
- 若手と年輩の更なるコミュニケーション向上を図るために、もっと何か良い方法はないでしょうか?
- ツイッター的なつぶやきリストを作成して営業部内ネットワーク上にて書き込み依頼を試みたが、できるだけ全員に書き込んでもらいたい。でも強制はしたくないのですが、何か良い案はないでしょうか?
「解決志向による職場活性化活動で
看護師の底力を見た!」
〜活かしあえる職場づくり、最高のサービスを目指して〜 |
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株式会社ハートセラピー
代表取締役 |
柳原 里枝子氏(写真下
SF実践コース8期) |
横浜南共済病院 看護師 |
久保 恭兵氏 (写真上左) |
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末永 八千代氏 (写真上右) |
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[共有事例の概要]
私は19歳の時に看護師となり「がん患者さん」と関わった為「人生1度きり、いつ死ぬかはわからない、であれば後悔をなるべくしないで死にたい」と考えております。そして、自分だけではなく多くの人が「その方の価値観の元、幸せに後悔なく人生を送ることが出来たらいいな」と思い、そのような気持ちから10年前に起業しました。
「多くの方が幸せに活き活きと暮らせるための支援をしたい」という志により「ハラスメントやメンタルヘルス対策を支援する会社」を立ち上げたのです。5年前に解決志向に出会い「これぞまさに私が目指している活き活き大作戦で使える!」と閃きました。そして、実践コース8期生に申し込み「SFを用いた職場活性化支援」をゴールに掲げ、半年間いくつかの組織で講師として活動させていただきました。
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活動する中でうまくいったことや逆に課題も見え行き詰りそうになりかけた時もありましたが、8期生の仲間や先生方の励ましやアドバイスのおかげで、ゴールにはたどり着きました。
実践コース終了後も「職場活性化支援をもっと多くの組織で行いたい」という思いを持ち活動していたところ、出会いましたのが今回発表していただく横浜南共済病院の看護部の皆様です。各職場から選ばれた参加者18名に対して、私が8期生として体験した半年間の内容を伝え、体験していただいたのですが、想像以上に参加者18名全員がそれぞれのゴールに向けて真摯に取り組まれ、半年後には周囲からも「あの先輩がいる職場でずっと働きたい」「指導の仕方が変わった」「彼の影響で職場のコミュニケーションが活発になった」などの声が聞こえるようになりました。素晴らしい結果を出されて本当に感動しましたのでこの感動を皆様にお伝えします。
[SFが活用されたポイント・ハイライト]
多くの看護師の事例から、問題志向ではなく解決志向で地道に取り組めば、周囲もプラスに変わることを実感しました。
また、自分自身の8期生としての体験からは、何かを成し遂げるには仲間を作ること(活かしあい)が大切だということと相手を信じて待つことの大切さを学びました。
[SF活用の経験はあなた自身(と周囲の人)にどんな影響を与えていますか?]
ハラスメント対策支援が今の仕事では多くを占めているが、お客様からの声として「じゃあどうすればよいのか」という周囲とのかかわり方に関する疑問です。そんな時に勧めたい考え方が「解決志向」であり、数年前から研修では必ず「解決志向」について説明をしています。皆様大変興味を持ち聞かれており、SFを広めることが私の使命とも感じています。
また、SFを広めるにあたり一人では限りがあります。そこで、仲間を作り「解決野郎Aチーム」として活動していますが、仲間も解決志向を学んでいるので何か問題が生じても解決志向で意見をくれるので精神的に助かっていますし、前向きに進みやすいと感じています。
[参加者と意見交換したいトピック]
医療関係者には是非聞いていただきたいです。その他、ハラスメント対策や組織活性化(働きやすい職場づくり)に興味のある方にもご参加いただけると幸いです。
「FS10饗宴!!『SFを意識させない』活動
&『どっぷりSF』メンター制度」 |
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藤吉工業株式会社
櫻井 逸昌氏
(写真上左) |
(取締役:本社事業本部) |
門田 貫氏
(写真上右) |
(部長代理:総務部
SF実践コース4期) |
坂元 崇大氏
(写真中左) |
(次長:プラントサービス本部 SF実践コース9期) |
稲荷 真也氏
(写真中右) |
(課長:本社事業本部
SF実践コース9期) |
飯田 奈央氏
(写真下) |
(部長代理:水処理技術研究所
SF実践コース4期) |
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[共有事例の概要]
当社は、第9期SF実践コースへ2名参加し、実践コース修了生は10人となりました。そのような中、修了生10人が主なメンバーであるプロジェクトチーム(FS10)を発足しました。(※FS10:フジヨシソリューショニスト10人の意味 ← 普段は使用しない)
今回は実践コース第9期生の坂元と稲荷が所属部署にて実践した内容とメンター制度導入によるFS10活動(SF面談)内容を紹介します。
プラントサービス本部(PS)所属の坂元は、所属部員が外での現場作業が多く、事務所に戻って書類作成をするというルーティンワークで一日が終わる業務体制の中、そこに何の変化もない現状に着目し、もし現場から事務所に早く戻り、やるべきことが明確になれば、各自が早く自宅に帰り、プライベートな時間を過ごすことで毎日が充実するのではないかと考えました。
そこで、坂元は「現場同行」という行動の中で、お互いを知り、また各自の業務のやり方を知ることで、部員の意識改革から始めました。またアンケートとヒアリングも実施し、部員からは「SFをやった感じはないけど、何か変わったよね!」というフィードバックがあり、実際にも部員が早く帰宅するようになってきました。
本社事業本部の工事課に所属する稲荷は、『Big Smile』で仕事が出来るようになりたくて、課員の負担にならないよう「アンケート」を中心に活動しました。
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約10弾と番外編3弾の工事課が良くなるための質問を、ときにはフィードバックを求め、回収率が良くなる工夫もして、アンケートを配信し続けました。その結果を共有することで、自分では思いつかないことや、同じ悩みがあるのだと共感でき、これによって工事課内の雰囲気が良いものとなり、「報・連・相」が円滑になってきました。そのため、忙しいときに現場応援をし合えるようになりました。
最後に、当社は昨年9月より若手の目標達成やモチベーション向上、やりがいの発見など人材育成を目的に、メンター制度を導入し、その中核はFS10が担うこととなりました。主に「SF面談」というそのままのネーミングの活動をしております。約30人の若手一人ひとりに担当ソリューショニストを割り当て、OSKARモデルや未来年表などSFツールを用いて、メンターとメンティー双方の成長を促しております。今までの上司との面談とは違い、対等な立ち位置で面談することで「このような面談を待っていた」「直属上司ではないため、新鮮な気持ちで話ができる」などコメントもあり、さらに毎回面談の終わりにスモールステップを促すことで、一歩一歩前進していることも効果として見えています。
このように今回の発表で、実践コース2名は『SFを意識させない』、メンター制度は『どっぷりSF』と、SF活動にも多様性があることが再認識でき、人それぞれに合ったSF活動が垣間見ることができると思います。
[SFが活用されたポイント・ハイライト]
- 坂元:
- 現場同行において、SFを意識せず「缶コーヒー」を差し出し、何気ない会話をして、お互いが考えていることや思っていることを知ることができた。信頼関係を築けたことで、アドバイスや激励(注意)も受け入れてくれた。
- 稲荷:
- 普段より忙しい工事課にどのような活動が負担にならず、かつ有効的かを考えたとき、社内で活用している「アンケートツール」だとひらめき、質問などを工夫して、活動し続けた。そのようなシンプルなアンケートであっても個人からチームプレーになりつつあることが驚きであり、やり続けて良かった。
- FS10:
- メンター制度導入前の説明会やSF面談において、SFコーチング・未来年表・ミラクルクエスチョンなどSF満載で活動し、若手に受け入れられている。時に面談では愚痴も聞き、その愚痴より本人は「どうしたいか」「自分では何ができるか」などをプラスへ向けられるようにしている。テクニックも大事だが、守秘義務のもと、人と人との会話を大事にするようにしていることがいい方向へ向かっているのだと思う。
[SF活用の経験はあなた自身(と周囲の人)にどんな影響を与えていますか?]
会社にSFを取り入れたことで、簡単に「できない」ということが少なくなってきた。まずは、「できる」ように皆で考え、上手くいかなければ工夫して、再度挑戦!というサイクルが築かれてきた気がします。
また、SFは一人でやるものではなく、仲間がいるという原則のもと、チーム力も増してきているとも感じる。これは個人的に感じることであるが、以前は否定的な意見に直面したら、「なに!コノヤロー!」と思ったが、最近では「そういう意見もあるよな〜」「ありがたいわ〜」とも思えるようにもなってきた。
SFは間違いなく人を気持ちよくし、良い方向へベクトルを向けられるものだと思います。現にSF面談で若手とともに成長しつつありますから!
[参加者と意見交換したいトピック]
管理職やベテランのモチベーション向上と属人化解消
⇒若手にはとても効果が見えているが、管理職やベテランはさらに工夫が必要な気がする。
<全体会2>
「SFと自分の生き方」
〜マイクロステップから始まる、人生のグッド・ウェーブ〜 |
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山本 勝之氏
(写真左) |
ゆい社会保険労務士事務所
(SF実践コース9期) |
長野 豊佳氏 (写真右) |
株式会社OSK 経営情報システム室
業績管理課 課長 (SF実践コース9期) |
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[共有事例の概要]
9期実践コースで学んだ二人が、職場でプライベートで実践したSFは、小さな小さな取り組み、スモールステップよりさらに小さい「マイクロステップ」でした。
実践したスモールステップから、自分の背丈よりもはるかに大きなグッド・ウェーブ(プラスの眼鏡ならぬプラスの大きな波)が起こり、または起こりつつあり兆しに気づくなど、個人としてのSFの活用を発表します。
○ワーク・ライフ・サーフィン
(株式会社OSK 経営情報システム室 業績管理課 課長 長野 豊佳)
毎日平凡な事務の繰り返しと思われがちの総務部門ですが、実際には幅広いステークホルダー(経営層・社員・顧客・取引先・地域社会etc.)の多様なニーズ・ウォンツにさらされているため、日々いろんな“波”が押し寄せます。
こんな絶好のポイントで、互いを受け容れ、軽やかに助け合いながら、仲間と楽しくソリューションサーフィンしたい・・・そんなFPへのサーフトリップを、ちょっとしたコミュニケーション(呑みニケーション?)などの小波(マイクロステップ)から始めてみました。
その結果、職場やプライベートで起きたささやかな変化と、今後のビッグウェーブの兆しについて報告します。
○実践して気がついた、誰もがもっているSFの種や芽
(ゆい社会保険労務士事務所 社会保険労務士・社会福祉士 山本勝之)
顧客先の経営者や福祉の相談者に対して、SFを知ってもらおうと取り組みました。
そこで気がついたのは、どのような方にも、既にSFの種や芽をたくさん持っていることでした。
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自分自身SFを知るまでは、例えば研修の講師の仕事が終わると、研修の反省をしながらトボトボ帰るなど、一生懸命頑張ったのに大変苦痛な感じでした。
実践コースの学びや実践、参加のメンバーから気づきを得て、SFを知れば知るほど、今は意識をせず自然と楽しく軽やかに、波のりのように日々を乗りこなしています。
些細なことでも、SFを活用する・活用していることに気づくことで、自分の生き方がちょっとでも変わり、そして自分が関わった周りも変わっていったSF insideな事例を発表します。
[SFが活用されたポイント・ハイライト]
○長野
- サーフポイントは身近なところに!(身の回りの手近なリソースを生かす)
例:ランチ・飲み会(異動・昇格(降格)・趣味など、トリガーは豊富!)
- 小波から始める(気軽にできるマイクロステップの積み重ね・凡事徹底)
例:挨拶、ゴミ拾い、電話、メールなど、日ごろの生活・仕事での一工夫
- サーフィンはダンスのよう(相手を理解し、呼吸を合わせる)
例:相手・状況に応じ、Yesの内容・表現を工夫
○山本
- 通勤で毎朝すれ違う方に、マイクロステップで目を合わせ、会釈をし、大きな声で挨拶
- エンディングノートを書く研修で、「誰かに教えてあげたい私のお気に入り」を受講者に書いていただき、受講者のリソースを掘り下げシェアをいただいた。その人らしい素敵なリソースが次々と出て、会場が大盛り上がり
- 売り込みが激しかったスタイリストさんとの、SF会話
- 組織のリソースに着目した、研修の提案
- 研修やセミナーで出会った難しいOKメッセージ、驚きのOKメッセージ
- 締め切りへの焦りを、◯◯◯スケーリングでスッキリ
- 困難と思われた福祉の相談者にもあった、豊かなリソースの発見! など
[SF活用の経験はあなた自身(と周囲の人)にどんな影響を与えていますか?]
○長野
- ランチ・飲み会
→部門の垣根を越えた交流により、メンバーの公私双方にプラスの効果!
- 挨拶、ゴミ拾い、電話、メールなど、日ごろの生活・仕事での一工夫
→ほかのメンバーにも影響が波及している(ような気がする)
- 相手・状況に応じ、Yesの内容・表現を工夫
→相手のWill・Can・Mustを伸ばす・意識させることができている(かどうか・・・?)
○山本
SFは、魂を揺さぶられる存在・・・そこまで大層な!と思わるかもしれませんが、SFと出合わなかった自分を今では考えられません。
自分がSFを活用し、周りの方とのコミュニケーションを取ると、お互いに笑顔やアイディアが増えます。
特に、SFを活用したセミナーや研修の中で取り上げると、水を得た魚の様に、活き活きとその後行動される方と何人にもお会いし、自分も成長したいという影響を感じています。
[参加者と意見交換したいトピック]
- SFをどのように活用されておられるのか、職場や家庭、個人の様々なシーンでのお話をお伺いしたいです。そのことが、人生にどう影響しているのかも。
- 自分がまだ気づいていないSFの活用方法が知れると、いいですね。
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