"SF inside" Day 2017
〜 その価値に気づく 〜
2017年6月24日(土) - 25日(日)
@
ちよだプラットフォームスクエア (東京都千代田区)
“SF inside” Day 2017 当日の様子VIDEO
“SF inside” Day 2017 参加者インタビュー
VIDEO
Appreciate
〜 その価値に気づく〜
青木 安輝
"SF inside" Day 2017の大会テーマは、「Appreciate 〜その価値に気づく〜」です。Appreciateを辞書で引くと、SF要素満載の単語であることがわかります。
appreciate:
よさがわかる、真価を認める、(…を)高く評価する、
鑑賞する、おもしろく味わう、ありがたく思う、
感謝する、識別する、認識する、わかる
ソリューションフォーカスの重要なツールである「OKメッセージ」はまさに このappreciateした結果が伝わる行為だと言えます。逆に言えば、appreciateしていないのにとってつけたように褒めても、相手に届くOKメッセージにはならないでしょう。プラスの眼鏡をかけて「よさをわかって」「真価を認め」「おもしろく味わった」人が、「ありがたく思う」気持ちとともに発するメッセージが多い場は、"SF inside"の度合いが高いと言えます。appreciateは何とSF度の高い言葉なんでしょう!
さて、サブタイトルを「その価値に気づく」としてありますが、何の価値のことだと思いますか・・・?
実は「その価値」は特定の内容を意図していません。ということは、大会に参加する皆さんの焦点のあて方によって、無限大の可能性があります。あえて言うならば、具体的に何の価値を認めるかではなく、価値があるという前提で人やものを見る姿勢のことを指していると言えます。つまりappreciativeな姿勢。
「相手の素晴らしさに気づくことにより自分自身が幸福を感じることがある。」
横田理彦(キヤノン)
これは「SF実践コース」第5期生横田理彦氏の修了レポートの書き出しです。僕はこの一行を読んだだけで、このレポートの内容がappreciateする体験に満たされたものであることを直観し、心が震えました。ソリューションフォーカスの意味を知っていたり説明できたとしても、単なる知的理解のレベルでは人とつながる感覚に乏しく、新しい行動を促すようなコミュニケーションを取るまでに至らないことが多いです。一方、appreciateする体験に裏打ちされているコミュニケーションにおいては、心が響き合い、そこに何かが生み出される可能性がグンと高くなるのではないでしょうか。
▼ クリックして続きを読む ▼
J-SOL(2008~2015)から"SF inside" Day(2016~)までソリューションフォーカスの事例共有大会が継続できているのは、参加された皆さんが、そこに関わる人々をappreciateし、自分自身もappreciateされる体験を通じてお互いにエネルギーを高め合う場であることが実感されているからだと思います。"SF inside" Day 2017では、私たちがお互いにappreciateし合う機会がさらに増えるようにとこの大会テーマを選びました。
事例共有をしてくださる発表者の皆さんは、発表の準備をする過程であらためて、自分がやったことの価値、創意工夫の効果、協力してくれた人々をありがたく思える気持ち、思った通りにいかないときに発揮した柔軟性等、その時点では無自覚だった様々なことをappreciateすることでしょう。
そして、大会に参加された皆さんは、事例提供者の皆さんの発表の内容のどこにその真価を認めるか、どの部分が味わい深いと感じるか等の焦点が一人ひとり微妙に違うことから、参加者同士でappreciateすることが沢山あるでしょう。
そして、この学び合いの場を一緒に創り上げる人たち同士の間に生まれる感謝(appreciate)の念は、大会が終わったあとに自分が志すことに向けて一歩を進めるためのエネルギーを気持ちよく増幅してくれることでしょう。
「共有事例の概要」の末尾にある「クリックして続きを読む」をクリックすると、「共有事例の概要」の続き、「SFが活用されたポイント」、「事例共有に期待すること」、「発表者プロフィール」を読むことができます。
共有事例発表内容
<全体会>
「現場作業者一人ひとりの仕事や改善に対する
『考え方や行動力のレベルアップ』」
藤森工業株式会社(ZACROS)
横浜事業所
畑中 雅雄氏
(製造課 班長)
志田 正士氏
(執行役員 横浜事業所長)
福田 総一郎氏
(総務課長代行)
[共有事例の概要]
背景として、毎週開催していた工程会議が勤務体制の都合により、一時中断していました。通常の勤務体制に戻っても行われず、内心「工程会議」やらなくていいのかな?という思いがありました。あるとき、メンバーの一人から「マジ、工程会議とかやらないとヤバいよ、仕事に対する考え方が変だよ」と言われ、そんなに考え方に差があるのかと疑問に思いました。
実際に工程会議で話し合ってみると、思っていた以上に仕事に対する考え方、改善に対する意識に自分と[ギャップ]があることが分かり、生産だけが製造の仕事じゃない、ロスを出さないためにはどんな改善ができるか、と日々考えていた自分とはまったく違いました。そんなとき、「ソリューションフォーカス」というセミナーがあるけどどうだ、という誘いから受講したところ、今まで考えたことのないアプローチの仕方で、最初は「ほんとかよ」という思いでした。
あるとき入社1年目のメンバーに、ある交換作業を任せていたときの話しですが、その時に「OSKARモデル」を実践したところ、自分で考えてこうした方がいい、とすぐに行動を起こし、横展開までしてくれました。
▼ クリックして続きを読む ▼
他にも工程会議では、今までは問題を解決するには原因は何なのか、いつから、なんで気付かなかったのかということばかりを聞いてしまうようなことをしていたが、まずは起こっている問題に対して「思い描く最高の状態」ってどんなかな、それに「近づくために」は何をすればいいかな、という問いかけをするようにしました。すると具体的なイメージが湧き、こんな風にするためにはこんなことをすればいいというアイデアを話すようになりました。「思い描く最高の状態とは」ということを想像してもらうだけでこんなにも違うのか、SFってすごいな、おもしろいなと感じ、みんなが仕事に対して考え方が変化するかもと感じました。最近では、現場の雰囲気が変わったのをメンバーも感じ始めたのか、やる気に変化が見られ、あれこれとりあえずやってみようという意識が出てきました。でも、工作機械やエクセルなど不慣れな部分もあり、まずはそれらに慣れる、というスモールステップを自然と工程会議の場で話すような変化もみられました。
現場のありたい姿として、メンバー全員がSF的に問題や改善に対して取り組み、それを解決するための改善案が出て、自分たちがやりやすいように現場を変えていく、そのような部署になることを望んでいます。
[SFが活用されたポイント]
問題解決において、解決までにやらなくてはいけないことをスモールステップで考えてもらうことができた。 どうしたいか、どんな状態になりたいかの問いでフューチャーパーフェクトを思い描いてもらうことによる、想像からのアイデア出し。
どんなに小さい進捗でも、そこまではちゃんとやってくれたんだね、などの言葉による相手へのOKメッセージの発信。
[事例共有に期待すること]
製造現場でSFを取り入れてメンバーの仕事や改善に対する意識が変化したことについて聞いてもらいたいです。SFを知らなくても考え方の一部がSF的になることで、小さな問題でもスモールステップやリソースを考えて行動するようになったことも伝えられたらなと考えています。
[プロフィール]
畑中 雅雄
簡単にいうと、製造現場の改善などを製造メンバーと一緒に取り組んだり、SFでコミュニケーションを取ったりするようなことを行っています。SFに出会ってからは、その手法を活かし、製造メンバーの仕事や改善に対する考え方を身に付けていけるようにも取り組んでいます。自分にとってSFとは、問題に対して自分が答えを出してあげなくてもいいんだ、どうしたいかということを考えてもらって、それに向かってこれならできるという自信を持たせられるある種の指導法と考えています。
今回の共有事例のときに、会社説明とSFを使っての改善事例の簡単な説明を、修了生のお二方がサポートしてくれます。
志田正士:藤森工業且キ行役員横浜事業所所長、SF実践コース第5期生
福田総一郎:藤森工業渇。浜事業所総務課課長代理、SF実践コース第6期生
「SF3つの基本的哲学を使った
土肥流SFワールド!」
土肥 夏未氏
株式会社サイゼリヤ ベルマージュ堺店 (リーダー)
[共有事例の概要]
1年前に着任した店舗「ベルマージュ堺店」は離職率の高さ、人員不足、管理の不備が比較的多く、背景の一部には、私の前任だったリーダーの超高圧的指導がありました。
店舗の組織を構築するにあたってSFAの3つの基本哲学を忠実に行うことを意識しました。
①壊れていないものを直そうとするな
これは自分に向けて。店舗では、人員不足や運営がうまくいっていない状態のことを「崩壊」と称する事が多いのですが、ここでは一切その表現は封印。「ベルマージュは、これからもっと良くなるお店である」と自分に言い聞かせる!
②うまくいっていることを見つけ、それを増やす
…店舗の中でも特に意欲の低いと思っていたホール担当の女子高生二人。一緒に勤務すると手を止めてお喋りばかり。新しいことを教えても次の出勤の時には忘れてしまっていることも。なかなか悩まされましたが、ある日、店内の定期掃除をお願いしたところ、二人が分担して黙々とやりはじめたのです。彼女たちには「一つのことへの集中力」「自分でやると決めたらやる!」という一面があったのです。さらに見ていくと女子高生ならでは?の「友情マジ大事」精神も高い事がわかり、学校行事等でアルバイトを休まなければならないときはお互い助け合って代わりに出勤してくれるようになりました。今では店舗の定期清掃、卒業する従業員への送別会企画等は高校生が率先して行っています。
▼ クリックして続きを読む ▼
③うまくいっていないなら、違うことをやってみる
…調理場担当の大学生H君。サイゼリヤの調理は一人で行う事が殆どで、様々な作業を同時進行で行います。彼はなかなかそれについていけず、シフトにも入れない状況が続きました。ある日ホール作業の手伝いをお願いしたところ、接客中のH君の表情が何となく明るいことに気がつきました。そのことを店長に報告し、彼を調理場からホール担当に変えたところ、非常にイキイキと仕事をし、また、人一倍気遣いの出来る子だと言うことも分かりました。常連様の事は彼が一番よく把握してくれているので安心してホールを任せられます。店舗全体でも、離職が大幅に減りました。
今では平日のお昼をパートさんにお任せし、仕事に余力を持てています。これからは従業員一人一人にSFマインドを浸透させられるブレない組織作りをしていきます。
[SFが活用されたポイント]
コンプリメント…女子高生二人が黙々と作業をしてくれた時に必ず「今日はすごく集中してたね!作業が進んで助かったよ!」と声をかけたことで、次回手がすいた時に自分で仕事を見つけてくれるようになった。
褒める時のタイミング…本人があまり興味を示していない段階で褒めても効果がないことが分かった。興味のあることや、「これなら出来そうだ!」と自分で思えて行動したタイミングで褒めると、より効果が発揮出来た。
「自分の存在がSF」であること…土肥流SFワールドの核!立て込んでいて一人で捌き切るのが難しそうな仕事量の時も「まだいける!いける!」と自分に葛(笑)出来た時は「ほら!出来た自分!」と声に出してOKメッセージを、出来ない時は「○○さん、これ手伝ってくれーー」「助かった、○○さんありがとう!」。うまくいった時も、行かなかった時も、誰よりもその状況を楽しむ事で、自分も周りも、自然とSFコミュニケーションになると私は考えています。
[事例共有に期待すること]
時代が急速に変化していく中で、親や教師世代から求められる「普通」と、現代社会から求められる「自分の役割」とのギャップに悩む若者は多く、自分もその中の一人でした。働き方・人種・家族のあり方・生き方。それらがこれからもとんどん多様化していく日本は、「自分も、相手も、認め合う」のSFマインドで、今よりもっと元気になれると考えています。その宣伝大使として、まずは職場から。そして共有事例を通して多くの皆さんとSFの輪を広げ、さらに自分の後輩の世代にも伝えていきたいと思っています。
[プロフィール]
2013年、労働組合主催の「コンプるセミナー」でSFに出会いました。その後J-sol8に参加し、自称「SF宣伝大使」に就任(笑)。SFベーシック、SFフォーラム、2016年にはSF inside dayに参加しました。自分の働く店舗での組織作りにSFは非常に役立っています。応援先でもSF式トレーニングは好評を頂き、最近では県も跨いで4つの新店舗開店に携わりました。土肥流SFは"背中で見せる"が基本!SFを取り入れた仕事や私生活を「とにかく楽しむ」ことで、私からSFコミュニケーションを教えるのではなく、周りが「マネしたい!」と思わせることを大切にしています。
<分科会1>
「官民協働
〜フューチャーパーフェクトの共有〜
傾聴とスモールステップで
職場の空気が変わった!」
岡田 元子氏
加古川市役所 (管理職)
[共有事例の概要]
3年前の私の職場は、失敗したら責任を負わされるという風潮があり、職員も民間事業者も気づいたことがあっても言い出せないような職場風土でした。
そのため、考え方が保守的になり、意見交流もほとんどありませんでした。
そんな中、私は、自治体研修で「SF」に出会い、3つの基本哲学を知り、自由に意見が言えるような職場、誰もがやりがいを感じる職場にしたいと強く思うようになりました。
当時の私は、専門分野の監督職でしたが、そのような立場においても、できることが、あるかもしれないと思い、傾聴と目標の明確化を実践しました。
そして1年前に、浄水場全体の業務に携わるようになり、おりしもベテラン職員はすべて去り、これまでのような経験に裏打ちされた業務運営はできなくなりました。
しかし課題はただ一つ「どんな状況でも施設を停止させないリスク回避」。
そこで、まず私は、監督職時代に実践していた「傾聴」を心がけました。
事例1)ある係長からの相談
「特定の職種にこだわらず、たとえばパソコンが得意な人には、その特性を活かした業務分担をしたい」に対して、係長の意向に沿った事務分担を実行してもらったところ、職員間で互いに助け合う空気が生まれ、1年後には職員それぞれの自己評価が高くなっていました。
▼ クリックして続きを読む ▼
事例2)民間事業者幹部からの相談
「以前は、夜間に電話報告することを嫌がられた」
そこで、私は、いつでも電話してほしい、と伝え、どんなときでも電話に出ることを心がけたところ、最初は残念な報告だけだったのが、次第に対処法を検討した前向きな報告になり、そのうち対処したあとの事後報告も多くなってきました。
事例3)全くどうしていいかわからない案件について、フューチャーパーフェクトを共有し、スモールステップを続けていくうちに、解決の方向に向かったこと
年度当初から、なかなか妥協点がみつからない業務がありました。
互いに重要性は理解できるのですが、業務の効率性という点でどうしても折り合わない状況が継続、そこで、その業務の問題点だけにとらわれず、全体業務から検討するしかけをしたところ、会議以外の場でも意見交換している光景が見られるようになり、最終的には、全員に納得してもらうことができました。
事例4)事故対応について原因追究より再発防止に向けた対応を続けた結果、民間事業者から本音を聞くことができ、その後も前向きな提案があったこと
ある休日の午後に、事故が発生しました。
連絡があったとき、今から何ができるか、複数の対応策(スモールステップ)と見通し(フューチャーパーフェクト)を立てて対応、途中から私も同席し、最後まで見守りました。
その後、責任者が本音を語ってくれたので、業務担当者に第一声「体調は大丈夫?」と声掛けすることができました。
それから後、私が気づかなかったヒアリハットについて報告してもらえることがあり、万が一に備えた対応策を検討することができました。
近年では、どの職場でも人員削減の一方で業務拡大の傾向にあると思われます。
このような状況だからこそ、一人一人の能力(リソース)を大切に、要所ごとに発揮されることが重要と思われます。
この1年、上下意識を取り払い、同じ目標に向かって業務を行っていくことを心がけましたが、中には共有が困難な内容(たとえば価値観)もあり、その結果、望まない結果となる苦い経験もありました。
どのような状況においても、互いに認め合い、協力し合える関係を構築することが重要だと感じていますが、思案を続けているところです。
[SFが活用されたポイント]
新たな局面に出会ったとき、フューチャーパーフェクトをめざして業務を進めていくと解決の糸口がみつかりました。
「こわれていないものを直そうとしない」「うまくいっていることをみつけ増やす」「うまくいっていないなら違うことをやる」の考え方で、それぞれの強みを活かしたら効果的な業務につながりました。
何か起こったとき、プラットホームに一緒にたち解決策をみつけようとしたら、自ずと再発防止策がみつかり、信頼関係も強まったように感じました。
[事例共有に期待すること]
技術分野におけるOJTで、OSKARモデルを活用することについて経験談を教えていただきたいと同時に意見交換がしたいと考えています。
組織目標に対して、意識にブレがあると感じる仲間がいた場合、どのように寄り添い、目標達成に向かって進むことが望ましいか、経験談を教えていただきたいと同時に意見交換がしたいと考えています。
[プロフィール]
水道事業に従事、水質検査を行う業務を12年していました。3年前に自治体向けのSF研修に参加し、参加者全員と共鳴し、勇気づけられたことをきっかけに、自分の持ち場でも活かせることがないか、基本哲学を意識しながら過ごしました。
2年前には、同じ研修に参加した仲間とともに自主研究グループを立ち上げました。
自主研究では、違う職種、職責に関係なく仲間と同じ方向に向かうことができることがわかり、どのような職場でも活用できると感じました。
1年前に職場での立場が変わり、さまざまな業務に携わることになりました。
そこで、傾聴と基本哲学に基づきOJTとして実践したところ、業務が前に進むだけではなく、互いに思いやりがもてるような環境になっていることに気づきました。
「日常業務へのSF取り入れで
スキルUP & 業務改善」
〜やってみてわかった人との関わり〜
藤森工業株式会社(ZACROS)
名張・三重事業所
金澤 涼平氏
東海林 駿太氏
渡邊 徹氏
谷奥 勝美氏
久保 雅之氏
本間 俊介氏
(名張 管理課)
(名張 技術課)
(名張 技術課)
(三重 製造課倉庫)
(三重 製造課オペレーター)
(名張 事業所長)
[共有事例の概要]
今回は実践コースに参加したメンバーのテーマを中心に日常業務での効果的なSFの取り入れ方をご紹介したいと思います。
① 「傾聴」を意識したコミュニケーションでスキルUP(東海林駿太)
技術課に配属され2年目の私が「自身のスキルUPを図りたい」と考えた時、先輩方の技を吸収しようとSFを用いて試みました。相手は長老・職人気質のコミュニケーションが不得手な方が多く一筋縄では行きません。そこで、昼食の時間や日常業務の中で「傾聴」を意識した先輩とのコミュニケーションを図りました。
また、実践コースで学んだFPやスモールステップを自ら発信することを業務の中で意識して来た事で、お客様への説明資料作成を任されるなど自身のスキルUPを実感し自信を持つことが出来ました。自信が出来ると社内活動でも堂々と自らSF的な提案をする事もでき標語を完成させるなど波及効果もありました。
② 解決思考のコミュニケーションで業務改善(金澤涼平)
製造オペレーターであった私は営業の希望納期と工場の生産調整をする橋渡し業務である生産計画に配属となり3年となります。配属当初は橋渡し業務ゆえ発
生する言い争いが多い職場に馴染めず苦労していました。お互いの想いは正当である為、感情的になり問題思考の発言が飛び交う状況でした。SF初心者の私でしたが日々のコミュニケーションから解決思考を意識し業務に就く事としました。
▼ クリックして続きを読む ▼
その結果、徐々に協力し合える関係を築く事ができ感情的な言い争いも減って来ています。自身においても、今まで問題に捉われ過ぎ狭い視野の中で調整業務をしていましたが、目的を見直し多角的な視野で解決法を探れるようになりました。又、地道にSFを駆使したコミュニケーションをとってきた事で物事に動じにくいと言う自身のキャラクターが理解されやすくなり改善テーマとして任された業務も自らメインとして進めて行けるようになりました。
③ OSKARモデルを使った事業所方針の共有で生まれた行動の変化
(久保雅之・谷奥勝美)
昨年7月に新所長を迎え、所長方針としてZCROSコンセプトに基づいた行動指針が宣言されました。しかし、現場で働く人間にとって大枠なところもあり捉えにくいというのが実感でした。そこで定期的に開催される事業所の全体集会の場でOSKARモデルを利用し楽しく・ワイワイガヤガヤと事業所方針の共有を図りながらZACROSコンセプトを意識した行動をイメージしてもらう事としました。
その成果は全社で開催されるアイデアコンテストに表れました。なんと前年5件であった応募件数が31件と大幅に伸び、グループアイデアも含めてほとんどの人がコンテスト応募に参加することができました。
このように全員が一つのことについて考える「場」の提供の大切さとともに、いつの間に実っていった自身や周りへのSF思考の広がりをお話しいたします。
[SFが活用されたポイント]
日常業務に関わらず昼食時間なども先輩とのコミュニケーションで自分の訊きたい事だけでなく、「相手が何を話したいか伝えたいか」傾聴を意識した。
指示する場面ではあるが解決に焦点を合わせた話し方や態度をとる事で相手からそれを言わせるよう仕向けた。
SFに好意的でないメンバーもいる全体集会の場であったが、スケーリングは抵抗感なく受け入れられた様に感じた。
[事例共有に期待すること]
SFの共通言語を使って業務を進めたいと思っている人に来て頂き、チームで仕事を
する場合のノウハウを共有しディスカッションしたい。
その中で頂くOKメッセージを今後も継続させる活動のエネルギーとする。
[プロフィール]
金澤 涼平
名張事業所管理課にて生産計画を担当、人に関わる場面が非常に多い業務で7期実践コースに参加後もテーマ継続し地道に活動してます。
東海林 駿太
名張事業所技術課で8期実践コースに参加しています。SFを上手く使い業務を回そうとしています。最近仕事の信頼性が高まりました。
渡邊 徹
名張技術課から実践コースへ多くのメンバーが参加させて頂いてます。そのメンバーとの関わりでSFを知り体感してきました。今回のSFiD参加で自身がどの様な反応を示すか楽しみです。
谷奥 勝美
三重事業所製造課で倉庫業務を担当、5期実践コースに参加してからはMr.SFとして事業所に様々なSFの種をまいています。
久保 雅之
三重事業所製造課オペレーターです。三重・名張の社内SF講習やイベントに参加してきました。今年は8期実践コースの脇中さんの手伝いをしSFの成果を実感しました。
本間 俊介
名張事業所長、2期実践コースにも参加、事業所長を忘れていつも口出しをしています。
「SF会議で総務も営業もモチベーションアップ!
これがフジヨシのやり方か!!」
〜藤吉式ミーティングスタンダードを添えて〜
藤吉工業株式会社
木村 健治氏
(本社事業本部 部長代理)
村瀬 伸治氏
(総務部 課長)
飯田 奈央氏
(水処理技術研究所 次長)
[共有事例の概要]
SF実践コース第8期生の木村と村瀬がそれぞれの所属部署で実践してきたテーマと会社で発足している組織活性化コーチングプロジェクト委員会(組織PJ)の委員長である飯田の取組みを紹介したい。
本社事業本部営業課に所属する木村は、普段より「営業マンはモチベーションが成果に影響する」ということを認識し、部下のモチベーション管理について悩んでいた。そんな悩みを解決し、「全員がレベルアップして、目指せ業界1営業力!」というフューチャーパーフェクトを描き、SFを実践した。
モチベーションアップへのサポートとして、会議で努力して得た成果(受注)をみんなで称える時間をとってみると、受注した本人は誇らしげに話し、周りも自然と拍手がでて、尊重の空気が生まれた。
また、「どんな気づきを与えられたらステップアップできるだろうか」のアプローチとして、毎月のSF会議において、テーマを絞ったスケーリングを実施しすることで最高の営業マンのイメージを持ってスモールステップを考えることができた。その中には営業スキル向上だけでなく、受注確率を上げるための戦略にもおよび、営業シートを作成して取り組んだ結果、受注に結びついた。
▼ クリックして続きを読む ▼
総務部経理課に所属する村瀬は、新しい顔ぶれが増えてきた組織において、個人の成長と組織力の強化が必要であると感じていた。そこにSFを活用し、小さなことからコツコツとステップ&サクセスを得た。
個人の成長を促す活動として「現在の自分の位置を知ろう!」というテーマで会議を実施し、レーダーチャートを作成した。その項目には行動力やコミュニケーション、業務知識など6つを設け、点数化し、さらに「すでにできていること」「ポイントをあげるためにできること」を記入し、部員はそれを会議内で発表した。レーダーチャートによってスモールステップの発見が早くでき、できていることを認識することで、自信にも繋がった。
さらにスモールステップのフォローとコミュニケーションを深めるために個人面談を実施した。この面談によって、外からの印象と本人が思っていることの違いがわかり、良い発見となった。また一人の部員は仕事意欲もあがり、上司へ「もっと仕事がしたい」と直談判していた。
最後に飯田はミーティングの質が向上し、社員の働き易さや、仕事の生産性が高まることに向け、「藤吉式ミーティングスタンダード(通称:藤吉式MS)」を作成する活動をした。作成における会議に関する研修会や勉強会を通して「どんな会議やミーティングだったら参加したいか」「現在どのような会議をしているか」などを社員から聞取り、スタンダードの中身を構築していった。
このスタンダードを作る過程において、すでに会議のために準備することを意識する社員が増え、進行者が主役ではなく参加者が主役なのだと認識できた。現在、社内で藤吉式MSが広がりはじめ、意味のある会議やミーティングが増えている。
[SFが活用されたポイント]
成果をミーティング内で発表することで自信がついた
成果に対してOKメッセージを出すことで自信がついた
スケーリングから自身のつよみをみつけることができた
スケーリングから次の行動目標が明確に設定することができた
レーダーチャートを作成することで、スモールステップを早く発見することができた
会議中のOKメッセージの発言がよい雰囲気を生んだ
営業シートにスモールステップを記載することで戦略が増えた ⇒ そして受注
個人面談において「聞くこと」に徹し、話している人をスッキリさせることができた
面談でコミュニケーションをとることで、「何がわからないかがわからない」から「これがわからない」に変化した
面談内のOKメッセージで自信がつき、仕事意欲が増した
会議に関する研修で会議に対する意識が変化した
(例:何も言わずに時間を過ごそう ⇒ 意見を言ってはやく終わろう)
[事例共有に期待すること]
同じようなことを解決したい方が勇気を持って、SFを実践するきっかけになれば嬉しいです。
発表することで何か気づきを得ることができると考えています。
自分たちが実践したことを誉めてもらいたいです。
会議やミーティングを工夫している方も大歓迎です。
[プロフィール]
木村 健治(本社事業本部 部長代理)
SFとの本格的な出会いは、平成28年8月の当社で実施した実践コースを受講する前のSF基礎セミナーです。出会う以前は「SFなんて…」と思う部分もありましたが、実践してみると「いいじゃん!」となり、実践歴は浅い(天然由来は長い)ですが、たのしく活動しております。
村瀬 伸治(総務部 課長)
SFとの出会いは平成22年7月に当社で実施した基礎コースです。青木先生に 講師をしていただき、「SFみたいな考え方があるんだ」と感心したのを覚えています。そして充電期間を経て、第8期実践コースに参加し、天然由来のSFと学んだSFを交雑させて、活動しています。
飯田 奈央(水処理技術研究所 次長)
第4期実践コースでSFと出会い、とても自分に合った考え方だと思いました。 私自身ももともとSF的な要素が強く、最近は如何に意識しないで日常や組織にSFを取入れることができるかを考えています。
<分科会2>
「『解決志向が困難をハッピーに!』
日野町の地域包括ケアシステムの辞書に
『困難』という文字はない(^_-)-/☆」
地域包括ケアシステム(介護が必要になっても、住み慣れた地域で暮らし続けることのできる仕組み)を構築し、介護・医療・保健・行政の関係者が地域で高齢者を支えていこうとするときに、そのケースの問題ばかりに視点が向き「問題解決」に時間がかかることで関係者が“困難事例”にしていたところがある。継続して解決志向の考えを取り入れ会議等を開催した結果、自分たちの資源やスモールステップに目が向き始めた。
井上 和興氏
(鳥取大学 特任講師・医師)
吉原 尚志氏
(日野町役場 主任介護支援専門員)
[共有事例の概要]
鳥取県日野町は、人口3320人、高齢化率はおよそ47%と高い町である。総合病院が1カ所あり、診療所と訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所を、医療法人と系列の社会福祉法人が介護老人保健施設、通所リハビリテーション、訪問介護事業所、通所介護、認知症対応型共同生活介護、特別養護老人ホーム、福祉用具の販売と貸与事業所を運営し医療・介護・福祉は充実していると考える。
総合病院に鳥取大学の教育拠点が開設されたことをきっかけに鳥取大学医学部地域医療学講座と日野町は地域包括ケアシステム構築の取り組みを始め、地域包括ケアシステムの構築には介護・医療・福祉・保健・行政が「顔の見える関係」でなければならないと感じ、医療・介護サービス提供事業者等の支援者が集まる会議(地域ケア会議等)をグループワーク化、多職種による見える事例検討会で事例提供者が抱える困難事例に対し、解決方法を導き出している。しかし問題解決にばかり視点が向き、実際に解決しているとは言えなかった。事例を見る視点、動かすきっかけづくりができるように解決志向アプローチに望みを託した。
▼ クリックして続きを読む ▼
顔の見える関係で専門職同士がコミュニケーションを気軽に取れる町の雰囲気の中、地域ケア会議後のOSKARモデルによる志向を変える意識付けと、解決志向アプローチ研修を受講したことで、利用者がどうありたいのかを明らかにでき、自立した生活を営むための“自立”に対する視点が変化し、前向きな支援が行われるようになった。
解決志向の手法を取り入れてから「困難事例が困難でなくなっていっている」と感じられるようになっているが、職種によっては解決志向の視点へ切り替えができていない場面も見られるため、医療・介護・福祉・行政・地域に解決志向を浸透させて誰もが前向きな支援を考えられるようにしたい。
[SFが活用されたポイント]
地域ケア会議終了後において「OSKARモデル」の問いかけ。
解決志向を浸透させるため、「会議に参加して自分がほしいものが手に入ったのか」、「今日は10のうち何点だったのか」、「どうすれば1つ上がるのか」、「どこがうまくいったのか」などの項目でアンケートを1年間取りつづけた。最初は記入する内容も少なく、参加者には時間を取られるものという印象しかなかったと感じられたが、1年後にはアンケート用紙が真っ黒になるほど、時間をかけ記入するようになった。慣れもあるだろう志向が頭の片隅にあり、自然と志向を持ちながら会議に参加していたという結果だろうと思う。
医療・介護サービス提供事業者等の支援者が抱える困難事例について、プラスの眼鏡と解決志向な質問、SFの実践哲学を意識して相談に乗ることで視点の変化がみられた。
利用者と支援者との望む姿は違うもの。しかし、支援者がそれを押し付けてしまうことは多々あり、それが困難事例にしてしまっている原因でもある。相談の中で、うまくいっていること、利用者の望んでいること、何をすればいいのか、うまくいってなければ違うことをやることなど意識的に気づきを促すことで、「そうだったのか」と困難だったことが進んでいくようになった。
[事例共有に期待すること]
日頃から医療・介護サービス提供事業者等の支援者が集まる会議や事例検討会を、医師、看護師、病院相談員、リハビリ専門職、介護支援専門員、介護士、保健師、事務職(担当課)という多職種で取り組んでいる。在宅サービス提供事業者に限らず、施設サービス提供事業者も一緒にチームとして活動している。
困難な事例(テーマ)検討をSFの志向を用いグループワークで行ったところ、笑顔が溢れ、笑い声が上がるなど楽しそうだった。召集した担当として支援者の視点が変わったことに感動した。
私も含めSFの志向が支援者に浸透し、利用者の考える自立支援を肯定し、ケースによっては時間がかかるかもしれないがスモールステップ等を提案できる多職種になってほしいと思っている。
地道ではあるがやっと多職種が連携していけそうな期待が持てるスタート地点に立ったところと感じる。さらに1つでも上げるために分科会では自分自身が気づくヒントを持って帰りたいと期待している。
[プロフィール]
井上和興
医師としてずっと仕事をしていると,職業柄,「患者さんの悪いところを見つけてそれを治す」という思考が自然に身に付いていることにいつの頃からか気がついた。しかし、そればかりでは患者さんをハッピーにすることができないというのもなんとなく感じていた。5年ほど前にSFという考え方に出会った。その時に「ああ,こうやって人の出来ているところに目を向けていけばいいんだ」という腑に落ちた感じと、シンプルな感じに魅かれている。なので、SFに触れ続けたい!という思いであふれている。
吉原尚志
行政直営の地域包括支援センターで主任介護支援専門員をしている。SFについては地域包括ケアシステム構築に向け、井上先生から有効なツールとして紹介していただき取り組むこととなった。劇的な変化を期待していたわけではないが、1年間アンケートや研修に取り組んできた。介護支援専門員が抱える困難事例の相談を受け、これまでは一緒に悩んでいたが、SFの志向を意識し話をすることでケアマネージャーの考えも「どうしようか」から「こうしてみよう」に変わってきたように思える。「困難が困難でなくなる」日も近いのではとSFに期待している。
「SFコミュニケーションによる
職場の意識・気づき力向上!
さらにソリューショントークの効用で
個人の支援力向上!」
杉山 修氏
一般社団法人日本産業カウンセラー協会 神奈川支部
キャリアカウンセラー部 副部長
一般社団法人日本メンタルアップ支援機構 認定講師
[共有事例の概要]
今回、共有させていただく事例を2つ紹介させていただきます。
まず一つ目は行政機関の職員に対しカウンセリング研修を委託されております。その研修の中でSFコミュニケーション基本要素(ツール)を使い、受講者が自分自身の内面を振り返り、結果として職員間や窓口来庁者との良好な関係性を築くことができ、意識の変化や気づき力向上に繋がりました。実際に研修の中で実行したことは次の6つのカリキュラムです。
① 解決志向で考えるセルフケアマネジメント(スケーリング)
②「怒り・イライラ(困っていること)」を解消する
(リフレクティング・チーム)
③ 過去の自分から5年後の自分の「ありたい姿」(リソース年表)
④ 自分の課題を考える(問題志向と解決志向、OSKARモデル)
⑤ 職員として必要な仕事力と行動計画(OSKARモデル、SFスケッチ)
⑥ 友情のOKメッセージ
上記6つのステップは上から順番に自分に向き合い、課題を捉え仲間から助言(支援)をもらい、将来のありたい姿を明確にして最後は自分の業務上の課題認識し、行動計画に繋げるフローとなっています。友情のOKメッセージは一緒に学んだ仲間に対し、一人ひとりに付箋にメッセージを記入し、台紙に貼って持ち帰り、仲間としてより結束を高める効果があり、受講者のプレゼントになり大変好評でした。
"SF inside" Dayでは6つのカリキュラムを実施した結果、受講者の意識の変化や気づきを紹介し、具体的にお伝えいたします。5ヶ月間の研修が終了した後に、コメントをいただきましたので、いくつか紹介いたします。
▼ クリックして続きを読む ▼
<仕事面について>
Mさん:スモールステップとして窓口来所者には必ず自分から名前を名乗るようになった。
Hさん:来訪者に配慮することを心がけ、お客様から感謝の言葉をいただいた。
Yさん:挨拶だけでなく、一言添えて応対するようになった。
<意識面について>
Oさん:OSKARの質問で問題を前向きに捉え考えることができるようになった。
Kさん:ネガティブ気質なので他人に褒められたりすると、「そんなことはない」と自己卑下してしまうが、研修室の空間では、「今、褒められたことは素直に受け止めよう」という気持ちがスッと出てくる。
など、それぞれ行動および意識の変化が現れているようです。当日はさらに具体的に紹介させていただきます。
研修中は常にOKメッセージで励まし合い、支え合う仲間となり、 職場は違ってもその絆は固く結ばれており、研修終了後も「半年に1回、同期会を開催し、情報交換しよう!」と、仲間としての結束力が高まったようです。
今回の受講生はSF実践コースと同様に最終回に描いたSFスケッチを用い、半年後に(2017.8予定)フューチャーパーフェクトの実践結果の報告会を行うことになりました。さらに行政機関の責任者からは、「仕事に対する心構えなど、成長を感じました」とコメントをいただき、次年度も引き続き研修の依頼を受けました。さらにブラッシュアップした研修を提供したいと思います。
次に2つ目の事例として家族との関わりの事例を取り上げます。体調を崩した娘に対し、父親としてどのように接していくか?親の立場としては子のことを心配するが故にプロブレムなトークになりがちです。しかし、早期回復を願うのであれば、じっくり時間を掛けて対面コミュニケーション、ソリューショントークで関係性を保つことにより、自らが前に向かって歩み出す力を支援する働きかけを行ってきました。
日常のカウンセリングにおいても同様のスタンスで支援することにより、リピーター率の向上や悩みの早期解決に繋がっていると実感しています。
[SFが活用されたポイント]
◆SFコミュニケーションによる職場の意識・気づき力向上!
① 解決志向で考えるセルフケアマネジメント(スケーリング・スモールステップ)
自分のメンタル面のケアを客観的にかつ簡単に評価する方法としてストレス度のスケーリングを実施し、改善のためのスモールステップに取り組みました。
② 「怒り・イライラ(困っていること)」を解消する(リフレクティング・チーム)
怒りやイライラなどマイナス感情をコントロールするワークにおいて、不快ストレス状態から、グループメンバーを通じて主役が解決・解消に向けたアイディアを考える。
③ 過去の自分から5年後の自分の「ありたい姿」(リソース年表)
リソース年表を作成し、過去の自分からリソースを探し、さらに人脈マップにて過去から将来の人脈の棚卸しを行い、5年後の自分の姿を描いていく。
④ 自分の課題を考える(問題志向と解決志向、OSKARモデル)
自分自身の課題を捉え、解決志向を理解することで、前向きに課題に取り組み行動化に繋げる。さらにOSKARモデルで解決への糸口を言語化することでより強化される。
⑤ 職員として必要な仕事力と行動計画(OSKARモデル、SFスケッチ)
職員として必要とされる仕事力を把握し、自分の半年後のフューチャーパーフェクトを描き、半年後のフォローアップに繋げていく。
⑥ 友情のOKメッセージ
講座を一緒に学んだ同志として全員に対しOKメッセージを記入し交換する。
◆ソリューショントークの効用で個人の支援力向上!
①父親としてまた身近なよき理解者として、 体調の状態を客観的に受け止めたうえで、ソリューショントーク・OKメッセージで対話し、半歩前進のスタンスで関わってきました。その関わりでは“私の状態をわかってくれている“という娘が抱く印象が大切。さらに実践コース開催日に合わせて毎月1回、カフェでコミュニケーションを図ることにより、次に会うまでのスモールステップを一緒に考え、行動化に繋げることができました。
② 娘との関わりでソリューショントーク ・OKメッセージを活用してきましたが、カウンセリングにおいても相談者に気づきを与え、自らの力で課題を解決するにはうまくいっていることを増やす支援をすることを意識いたしました。SF inside Dayでは実際の事例を紹介させていただきます。
[事例共有に期待すること]
今回、分科会で発表させていただきますが、私が取り組んだ実践事例で以下に挙げた項目に関心がある方に聞いていただけたらと思います。
職場のマネジメントにおいてSFを導入したいが、どのように導入すれば良いか参考になる事例を聞きたい
管理監督者として部下のモチベーションに繋がる事例があれば聞いてみたい
部下自身がどのようにキャリアプランを考えているかわからない。面談ではなく、楽しく取り組めるワークがあれば参考にしたい。
高校、大学生をもつ親として、心理的距離感や体調不調な子供に対し、どのように関わっていけばいいのか?何かヒントが欲しい。
など、組織力アップや部下のモチベーション向上、さらには子育てでの悩みや仕事で部下部下への対応などでお困りの方など、この分科会で意見交換も含め、情報交換や学び合いの場にできれば有意義になるでしょう。
[プロフィール]
産業カウンセラー、キャリアコンサルタント
現在、企業の人事部門にてキャリアカウンセラーとして従業員の相談業務に従事。また、一般社団法人日本産業カウンセラー協会にて国家資格キャリアコンサルタント養成講習の講師を担当。
一般社団法人日本メンタルアップ支援機構では、“生きやすい人間関係を創る”ためにコミュニケーションスキル講座の講師を担当。
SFとの出会いは2015年7月、私とSFとの出会いは社内のコーチング研修トレーナー育成において講師としてお招きした藤沢先生との出会い、そこで解決志向をしり、キャリアカウンセリングにおいてSF志向は個人の意識の変化や行動化に繋がる最善・最短の手法であることを学び、2016年第8期実践コースに参加する。日々のカウンセリングは勿論のこと、外部カウンセリング研修にもSFを取り入れて実践している。
「HOW(Hatsukaichi Original Way)」
ソリューションフォーカスの理論を、人事評価制度の「面談」に取り入れ、「面談」が職員のやる気を高め、職員が具体的にさらに何を努力・工夫すれば良いかを自覚する人材育成手法の取り組み
HOWチーム (廿日市市役所)
胡 孝行氏
(行政経営改革推進課長)
村上 雅信氏
(こども課長)
能島 克浩氏
(人事課 専門員)
[共有事例の概要]
1. 経緯
全国の地方公共団体において、地方公務員法の一部改正に伴い、平成28年度から「人事評価制度」が導入された。この「人事評価制度」は、職員の能力開発と人材育成を目的としている。それには、評価者(所属長)と被評価者(一般職員)との「面談 」が重要な場となっている。その「面談 」に解決志向のアプローチにより小さな成功体験を積み上げていくという、ソリューションフォーカスの理論を取り入れ、組織を活性化させることに取り組んでいる。
2. “HОW”の作成
評価者が被評価者と「面談 」する際の廿日市市独自のガイドラインとして作成したのが、HOW(Hatsukaichi Original Way)であり、面談 を重ねるごとに、このガイドラインでは対応できない事例等を集積し、さらに使いやすいガイドラインに改訂することを繰り返すことで、廿日市に合った、“HОWの学習創造サイクル”をまわすことが可能となっている。
▼ クリックして続きを読む ▼
3.
面談 の位置づけ
人事評価制度を活かす上では、評価制度自体や日常の人間関係などが重要であるが、この制度を活かすのは、制度設計や人事評価システムなども重要となるが、「面談 」が重要な手段となる。
もちろん日頃、仕事上の協議、相談等で話すことはあるが、改めて、評価者と被評価者の面談を行うことによって、いろいろなことが見えてくることがある機会となる。
なお、面談 の場に課された機能として次の2つが重要となってくる。
被評価者が、能力や努力を認められ、肯定的期待を感じることでやる気を高める。
被評価者が、具体的にさらに何を努力・工夫すれば良いかを自覚する。
面談 により、評価者が「プラスの目」で見て、被評価者が「やる気を高め」、「何を努力・工夫すれば良いのかを自覚」出来たとしたら、それは面談 の目的を果たしたことになる。そのような面談 をしてくれた評価者には、敬意や感謝の気持ちが生まれ、関係性が更に良くなることが期待される。逆に評価者も面談 により、職員がそのような気持ちになれば、上司としてのやりがいや達成感も増幅させ、組織全体のチーム力を向上させることにも繋がる。
[SFが活用されたポイント]
SFの理論を活用した「HOW(Hatsukaichi Original Way)ガイドライン」に基づき、評価者と被評価者との人事評価面談後に実施したアンケートのコメント(良かったこと、うまくできたことなど)の抜粋。
●評価者(所属長)のコメント
日頃から、「あなたの事を見ていますよ」という言い方をした。コミュニケーションが更にアップした。褒めながら諭すと効果的である、と改めて実感した。
今期評価したこと(良いところ等)を話すことで緊張がとけたように思う。この人事評価面談をしていくことで、確かに職員がよい方向に変わってきている手応えも感じている。モチベーションをあげるための人事評価ということが理解できた。
まず、本人に半年間の手応えを話してもらい、補足する形でこちらの感想を述べた。仕事に対する思いや同僚への思いなどを語ってくれて、部下への理解が深まった。他の人からのプラスの評価などを伝えると、大変喜ばれた。それぞれが抱いている仕事への思いや同僚への気遣いなどを伝えることにより、人間関係の改善につながることがあると感じた。
日頃あまり会話はないが、きちんと見ているということ、また感謝しているということを伝えた。また、私の職として、課員を公平に扱っているつもりであるということを伝えたところ、やる気がでたとコメントを貰うことができた。
民間にいたので民間での経験を聞きだし、実績を認め、話を進めた。特に民間と行政(公務員)の異なるところ、異なって当然のところ(違わなければならない点)などを話し合い、今後の業務に対する姿勢が確認できた。共に変化していこう、より良く改善していこうという共通認識がもてた。自分自身のモチベーションが上がった。
●被評価者(一般職員)のコメント
日頃努力しているところを認めてもらえたことが嬉しかった。業績評価の記入の仕方を、もう少しこうしたほうがいいと伝えてもらい、自分で考え直すことで目標が明確になった。
係が組織らしくなってきたと褒めて貰い、係長としての日頃の不安が解消され、やる気が高まった。普段からコミュニケーションはとれているが、一対一で自分に焦点を絞って話ができる機会は貴重である。自分の事に加え、係員の役割や育成についても共有できた。
目標達成状況の確認のみではなく、目標達成に向けての具体的な方法などのアドバイスがあり、次期に何を努力、工夫する必要があるか分かった。一対一で所属長と話をする機会はあまりないので、いい機会だった。業務に対する考えや、自分に求められている役割など再認識することができた。
今回初めてこのような機会をいただき、面談によって自分のいいところ、自分が今後伸ばしていくところ、補っていくところが明確になったと思う。
4月以降、新しい職場の仕事内容に中々慣れず、悪戦苦闘の毎日で心身共に疲弊しきっていたが、課長の人柄が伝わる優しいアドバイスや評価についての話を聞き、ちゃんと見て頂いているのだなと泣けてくるようだった。普段、ほとんど話せる機会や時間がないので、とてもよかった。
①自分の業務内容を説明する機会が得られた⇒相手に説明することで自分自身の仕事に対する考え方や取り組み内容を整理することができた。②自分の仕事観や近況について話を聞いてもらえた(普段あまり聞いてもらう機会がないので)。③仕事の進め方や目標設定等について客観的なアドバイスをいただけた⇒肯定的な意見を多くいただき、仕事への意欲や組織への貢献意欲が高まった。
[事例共有に期待すること]
人事評価の「面談 」にソリューションフォーカスの理論を取り入れ、「面談 」によって、職員が能力や努力を認められ、肯定的期待を感じることでやる気を高めたり、具体的にさらに何を努力・工夫すれば良いかを自覚することで、組織を活性化させる事例の共有ができればと思う。まさに「面談 」は、SFの理論を最大限に発揮する場といえる。地方公共団体以外の民間企業の人事評価においても、ぜひSFの理論を人事評価の「面談 」に取り入れて頂ければと考える。
[プロフィール]
胡 孝之(分権政策部行政経営改革推進課長)
SFとは青木氏の研修において出会う。平成28年5月にも青木氏の研修に参加し、SFの理論をさらに学ぶ。組織風土や仕組みを変えることにより、組織の活性化を図る「行政経営改革」を担当する課長として、精力的に関係部署に足を運び、SFの解決志向のアプローチにより、市内部の様々な課題に対する調整・支援に取り組んでいる。
村上 雅信(福祉保健部こども課長)
廿日市市役所におけるSFの第1人者。平成21年に青木氏の研修において、SFと出会い、平成22年度から、青木氏を「チーム力アップ研修」の講師として招き、以降SFの理論を職員に広めるための研修を実施。平成28年度からは、子育て支援を担当する課長として、保育園の再編計画などに取り組んでいる。
能島 克浩(総務部人事課専門員)
職員採用、人事評価及び研修等を担当。人事評価における評価者研修の講師として青木氏に依頼している。SFとは、平成28年5月に青木氏の研修に参加し、初めて出会い、それまで自分で描いていた理想のコミュニケーションと同じと知り、大いに感銘を得る。メンタル面で問題を抱える職員や、上司と部下のコミュニケーションがうまくいかないケースが多いなか、SFの理論を活かせないかと考えている。
「隣は何している人から気の知れた隣人へ」
〜担当外業務への関心と会話量の増加へ〜
当職場では多岐に亘る製品群を取り扱っており、製品毎に数人の担当が日々業務を遂行しています。しかし担当が少人数のため固定化され易く、担当製品が異なる他メンバーの業務への関心が低いのが現状でした。SF活動を進めて行く過程で他メンバーとの会話量が多くなり、特に若手から自発的に部全体の改善アイデアや改善活動が増えてきました。
三井造船株式会社玉野事業所
矢定 孝之氏
(特機 水中機器部)
錦織 みさ氏
(安全衛生課 主任・看護師)
[共有事例の概要]
当職場は操船関連装置と水中機器の製造メーカとして、企画・提案から、設計・製造・検査及びアフターサービスまで製品のライフサイクル全般に対応している派遣社員含め総勢約50名の職場です。多岐に亘る製品群を取り扱い、製品群毎に複数のグループに分かれ設計・製造を行っており、自分のアイデアが製品として形になり、そして客先での運用、評価がダイレクトに得られるため、その事でやり甲斐を感じている者が多い職場です。
一方、多様な製品毎に知識・経験が必要であり、製品毎の担当は1名〜数名と少人数で工事を遂行しており、また担当者が固定化され易く、担当製品が異なる他メンバーの業務への関心が低いのが現状です。そのためバックアップ体制に課題があり、また業務量の平準化も難しいのが現状です。
そこで今回のSF活動を通じて、「自分の担当以外の業務に関心を持つ」と「部員間のコミュニケーションをより多くする」を2つの「ありたい姿」と設定し、他者への関心を持つことと、部員間の一体感の醸成を主眼に活動を進めています。 SF活動は、職制の私含め各グループから若手中心に5名のSF推進者を選出し、2つの「ありたい姿」目指して活動を部内で展開していきました。
活動に開始にあたり、各自が感じているコミュニケーション状態の現状をアンケートによるスケーリングを実施した結果は10満点中3.9でしたが、活動半年経過した時点では5.0となり、少しずつですが、前進していることを実感しています。
半年間の活動の一例を示すと
▼ クリックして続きを読む ▼
1) 会話量を増やすために
■交流スペースの設置
喫煙者は、喫煙所で一服しながら部外の社員も含め雑多な会話を行っていますが、非喫煙者は、黙々と自席で業務を行っており会話量が少ない状況でした。そこで部員間のコミュニケーション量を増やすために、執務場所の一画を仕切ってポット等を置いた「交流スペース」を設置し、コーヒーを入れる際にちょっとした会話ができる様な場所を用意しました。
■掲示版の設置
交流スペースでもっともっと会話を増やすために、交流スペースに掲示板を設置し話題提供を行なっています。提供している話題は①「実は○○にはまっています」等の顔社員付きの「実はカード」による部員自己紹介や②社内運動会などのイベント情報③結婚、出産などの部員家族イベント等です。
掲示板の情報提供は2週間程度の更新頻度ですが、予想していたより興味を持って頂き、掲示内容をきっかけに会話をしたよとか、部員のプライベートな一面が見えて面白いとかの声を聴いています。
部内の担当グループ外メンバー同士で会話している姿も以前よりは増えてきていると感じています。
2) 職場雰囲気を良くするために
■重点活動の周知
月間の重点活動項目として「挨拶の奨励」をスローガンとして部内の数ヵ所の壁に掲示し周知を図りましたが、効果は今一つでした。そこで次のステップとして1週間のみの限定で挨拶活動を特に意識して行ってもらう推進グループを設定し、推進グループのフラッグ(目印)を用意し各グループ持ち回りで活動を行っています。1週間という限定期間での活動となるため、意識し易く、部員間で今週は推進グループだから等の声を掛け合っている姿が見えました。
[SFが活用されたポイント]
SF活動を楽しむ
事業所活動の一部で部内展開しているため、往々としてヤラサレ感を感じ、活動そのものが受け身になり易いと考え、特に部内推進メンバーの打合せでは意識的にOKメッセージのやり取りやポジティブ思考を心掛けました。
「質より量」
アイデアあれば兎に角やってみる。そして上手く行かなかったら、次の手を考えるというようにスモールステップで活動を推進しました。
部内推進メンバーの打合せでは、メンバー各自が時には脱線しながらも、自由に意見が言える雰囲気作りができたと感じています。脱線した会話から新たなアイデア種が見つかることもあり、あまり真面目にならなくても良いのでと考えます。
[事例共有に期待すること]
当部では職場環境の改善・改革を目指しSF活動に取り組んでいますが、参加された皆様のご意見と他社でのSF活動の良い点を取り込み、自職場の一層の改善のヒントを得たいと思っています。
特に業務の困難な課題(関係者の考え方や方向性の違い)を解決に導いていった事例や、部署としての一体感を醸成していった事例があれば、是非ともそのヒントを得たいと思っています。
[プロフィール]
矢定 孝之
三井造船(株)玉野事業所の特機・水中機器部に在籍し主に水中機器の製造管理に従事しています。
事業所としては、2012年からソリューションフォーカス手法を活用し職場環境の改善活動に取り組んでおり、第3期活動として私の所属する特機・水中機器部がSF活動の「モデル職場」に選出されました。部内の推進責任者として2016年6月から1年間の予定でSF的な手法よる部内全体のコミュニケーション改善を目指し活動しています。
錦織 みさ
2010年6月に、J=SOL3東京のプレセミナーを福岡にて受講。
ペアワーク中に、マカーゴー氏からもらったOKメッセージから自分自身がSFのよさを実感し、それがきっかけとなり事業所へSFを紹介・導入しようと決意。
10月より社内でプレゼンを繰り返し11月上旬に既に決まっていた施策を変更してSF研修導入をするという貴重な体験をした。
青木先生と二人三脚で2012年から継続して研修を実施しているが、毎年事業所の実情に合わせた研修をすることにこだわっている。
また、研修後のアンケートより出されたアイデアを取り入れて2013年からは、研修だけでなく、モデル職場を事業所内でつくり活動を継続している。
研修や活動を通して広い事業所の中でも、つながりを感じられる機会がより増えることを願っている。
<全体会>
「やってみよう!SF自主勉強会
プログラムやツールの工夫」
小野 友之氏
岡山県倉敷市立中洲小学校 教諭
[共有事例の概要]
SFに出会い,「身近な場所で“SF”や“SFの活用”について勉強する場がほしい!」という思いから一人で始めたSF自主勉強会。どんな内容で進めていったらいいか,誰にどんな声掛けをしたらいいかなど,分からないことばかりだったが試行錯誤を繰り返し,これまで継続することができた。
実際に,各地のSFに関する研修会に参加して運営方法を取り入れてみたり,自主学習会のノウハウについて質問して得たことを実行したりしてきて,ひとまず現在の形に落ち着いている。
学習会の導入でよく行うカードを使ったグループワークは,視覚的な支援があり,話し手・聞き手の両方の積極的な参加を促し,とても役立っている。また,カードやシートを用いることが対話のサポートとなり,初参加の方でも安心して取り組むことができている。
▼ クリックして続きを読む ▼
こうして,月に一度,自分たちの生活を振り返って参加者同士が認め合い,支え合う場は,大きな安心感をもたらしてくれる。そして,これから自分が望むくらしについての対話をふくらませることで,参加者の誰もが明るい気持ちで会を終え,それぞれのくらしへと戻っていくことができる。
今後は,SFの基本を系統的に学べるようプログラムを工夫したり,今の仕事上で役立つ新しい学習の場を作ったりしていきたいと考えている。
[SFが活用されたポイント]
毎回,はじめに参加者同士が承認し合うOKメッセージの活動を取り入れた。
会の始まりに,自己紹介や近況報告のエピソードを話してもらう。聞き手は,感想やOKメッセージを伝えたり,肯定質問をしたりする。話し手はそれらに答える中で,自分の体験の意味を再確認したり,自分のがんばりや新たなリソースに気づいたりすることができる。聞き手にとっては,OKメッセージの仕方や伝え方のバリエーションを増やしていく時間となる。
演習の振り返りの際,目指す方向や状態に意識が向き,よかったところやこれからの可能性を見出すことができるように,参加者への投げかけを工夫した。
SF研修会に参加しているのに,ダメだしをもらってへこんだり,うまくできなかった感にさいなまれたりすることがあって,どうにかしたいと感じていた。SF的スーパーバイズを教わってからは,その要素を振り返りの中に取り入れるようにした。
参加者同士の協力関係が育つよう,ツールを活用したグループワークを取り入れた。
ソリューションカードやストレングスカード,スケーリングのワークシートなど,初めての参加者でも演習に取り組みやすいようないくつかのツールを活用した。そして,参加者同士が安心して関わり合えるようステップごとに演習を進めるようにした。
参加者の主体性が育つよう,演習では,自分自身のことをテーマに取り上げるようにした。
自分自身に関わることをテーマにし,SF質問によって,望む状態やリソース,スモールステップを自分自身の言葉で表現していくことで,期待感をもって生活に戻り,主体的な取り組みへとつながるようにした。
[事例共有に期待すること]
勉強会を継続していく中での工夫を紹介することで,参加者が主体的になれる自主勉強会の内容・進め方等について,皆さんの意見や具体的なアイデアなどのフィードバックをもらうこと。
参加者の方が,これまでに参加した勉強会や,すでに実践している自主勉強会の話も共有してもらうこと,そして,そこから学ぶこと。
参加者同士で話し合うことを通じて,自分たちの職場やコミュニティでも自主勉強会をやってみようという気持ちが高まり,交流が生まれていくこと。
SFに出会うと,その魅力から早く身に付けて家庭や職場で活かしていきたいと感じると思います。そんな方々との新たな交流の始まりのきっかけとなることを期待しています。
[プロフィール]
公立小学校教諭。寡黙な学生が教員になりコミュニケーションの渦に巻き込まれ困惑。自己啓発セミナー参加を皮切りに,アドラー心理学やコーチングを学ぶ中で,青木安輝氏のセミナーでSFに初めて出会う。その後,学びを深めたい一心で各地のSFA研修会に参加する。SF実践コースでは職場でのSF活用に取り組んだ。
SFは,自分を再発見する素敵な会話。